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2006.09.21

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Suzanne Brockmann

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派手なプライベートで有名な映画プロデューサーJaneの次回作"American Hero"は、実話に基づいた第二次世界大戦中のロマンスだった。ただし、それが男同士のロマンスだったことから、Janeは製作を取りやめるよう何者かに脅迫を受けるようになる。心配した映画制作会社がTroubleshootersに護衛を依頼し、Navy SEALのCosmoがJaneのボディガードを務めることに。脅迫を本気にしていないJaneは猛反発。一方のCosmoもなにかと派手なJaneに反感を抱くが、やがてお互いを知るようになり恋におちる。ところが当然ながら脅迫は伊達じゃなかった。脅迫メールの類似性から、おそらく犯人は過去にも殺人事件を犯しているとあるカルト集団であると推測。FBIまで乗りだすが、Janeと周囲の人間は危険にさらされることに。

Troubleshootersシリーズ第8作(The Unsung Hero, The Defiant Hero, Over the Edge, Out of Control, Into the Night, Gone Too Far, Flashpoint)
あらすじの通り、表向きにはCosmoがヒーローなわけですが、本作の真のヒーローはAlyssaの親友でもあるゲイのFBI捜査官 Julesです。
公式ウェブサイトのカウントダウンページにもあるように、Suzanne Brockmannの息子さんもゲイなのだそうです。たまたまゲイとして生まれてきたというだけで、人を愛し人に愛される普通の人間だってことを訴えたかったのでしょう。Julesと"American Hero"の主演男優であり、Janeの弟でもあるRobin(自称ストレート)とのロマンスがサブプロットになっているんですが、これが凄い。主役を食ってるなんてレベルじゃないです。Julesの元彼のAdamまで絡んできて、濃厚で切ない恋愛模様にメロメロです。なにしろ、あの陽気で優しいJulesがビックリするくらい男らしい。ほれます。JulesとRobinの恋の行方が気になって仕方がない。"Over the edge"でのAlyssaとSamを彷彿とさせるケミストリーです。
とまあ脇役のロマンスは無茶苦茶素晴らしいのですが、主役のロマンスがビックリするくらい出来が悪い(笑)。はっきりいってキャラもいい加減だし、あまり印象に残らない。Julesの物語の埋め草程度にしか見えません。いっそJulesを主役にすればよかったのに(ってそういう訳にもいかんでしょうが)。無口なCosmoのキャラがヒーローとしては難易度高かったということもあるのかもしれませんが、これでは残念ながら5つ星はあげられません。もったいない!
冒頭に息子さんへの献辞があるんですが、これがなんとも泣かせます。母の愛です。上述のカウントダウンページの下の方にもありますのでご一読あれ。2006.9.15★★★★

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2006.09.18

A Summer to Remember

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Mary Balogh

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奔放な独身生活を謳歌していた不良貴族Kitは、家族からの圧力で望まぬ相手と婚約させられそうになる。かくなる上は大至急で、誰もが認める相手を婚約者として見繕わなければ。そんなKitが白羽の矢を立てたのがLaurenだった。不良貴族のKitなど相手にするはずもない完璧な貴婦人Laurenと、たった二週間で婚約にこぎつけてみせよう、とKitは友人たちと賭けをする。
一年前、結婚式の日に相手に捨てられるという大スキャンダルに見舞われていたLauren。貴婦人として恥ずかしくないように、と真面目に生きてきたこれまでの人生は間違っていたのだろうか、と疑問を抱いていたところへのKitの求愛。危険な相手だと周囲に反対されればされるほど、LaurenはKitに接近してゆく。
はじめはゲームを楽しんでいたKitだが、やがてLaurenをひとりの女性として見るようになると、賭けの対象としていることが恥ずかしくなり、結局すべてをLaurenに告白。愛されていた訳ではなかったと傷つきつつ、Kitの事情を知ったLaurenはある提案をする。ひと夏だけ、ふたりで婚約を装って、夏が終わった時点でLaurenから婚約を破棄しよう。そうすれば、Kitは望まぬ相手との婚約を回避できるし、Laurenもオールドミスとして静かな生活を手に入れることができる。そのかわり、思い出になる夏を経験させてほしい、と。

最初は"The Secret Pearl"とは随分違った、やけにあっけらかんと明るいトーンにビックリ。いろんなスタイルで書く人なのかなぁと思っていたら、ジワジワと色々な影が書き足され、しっとりと味わい深いロマンスに変貌しました。その変貌ぶりがホント自然でさりげないのと、重苦しくならずに深みを増すのが良い。Kitと弟Sydの確執なんてかなりヘビーだと思うのだけれど、どこか幻想的ですらあったり。なんでかな?
とにかく主人公二人がいいです。賢さと純粋さを兼ね備えたLauren、奔放でありながらも根は誠実なKit。この二人の魅力に尽きるんじゃないかな。KitのリードでLaurenが女性として花開いていく様子が痛快なんだけれど、そこはかとなくひと夏限定という切なさがあってグッときます。ツクツクボーシの声を聞く切なさが通奏低音になってるとでもいいましょうか、いや、なんとも情緒があります。絵になるシーンも多いし、素敵な映画をみたような読後感(2時間の映画には絶対収まらないけどね)。シリーズの一部らしく、脇役がやけに丁寧に描かれているので面食らいますが、コレだけ読んでも充分楽しめました。おすすめ。2006.9.10★★★★★

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