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2006.08.28

Something Borrowed

Something BorrowedSomething Borrowed
Emily Giffin

Griffin 2005-04-15
売り上げランキング : 16401
おすすめ平均

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子供のころの夢では素敵な旦那さまにお祝いしてもらうはずだった三十歳の誕生日。ニューヨークで弁護士をしているRachelの記念すべき日を祝ってくれたのは、幼なじみのDarcyだった。美人でカリスマ性があり、いつでも欲しいものを手にしてきたDarcy。華やかな広報の仕事に就き、Rachelが紹介したロースクールでの同級生Dexとの結婚を目前に控えている。誕生パーティでは、いつものごとくDarcyが主役そっちのけで盛り上がった挙句、すっかり酔っ払ってしまって一足先に帰宅することに。残ったDexとRachelはふたりで飲み続け、なんとなく勢いで”そういうこと”になってしまう。親友の婚約者とベッドで朝を迎え、愕然とするRachel。しかし、Dexは動揺しつつも「いけないことだとは思うが、後悔はしていない」と言い放つ。とても自分には不釣合いだと思いつつも学生時代から密かにDexに惹かれていたRachelは、Darcyへの罪悪感に苛まれながらもDexのことを想わずにはいられない・・・。

【これはロマンス・・・なんですか? Amazonではロマンスのジャンルにあったんだけど】
発売から2年たった今でもAmazonのロマンスTop sellerリストで堂々の28位。読者レビューは200を越え、平均評価は星4.5個。こりゃ当然イケるでしょ、と買ったんですけれど・・・。これ、いわゆるChick Litって奴ですね。それならそうと言ってくださればそのつもりで読んだのですが、ロマンスに違いないと信じて読んでいたので肩すかし食らいまくり。
ロマンスメインのChick Litもあるんでしょうが、これはDarcyとRachelの関係がメイン。美しいばかりじゃない、友情の醜い側面もセキララに書かれていて、そこは見事。Darcyってのはかなり逝っちゃってるキャラなんですが、「いたいた!こういう娘」って感じです。なんだか懐かしくて甘酸っぱい。読んでいて、なんというか痛くて面白かったです。
ところがねー。ロマンスとしてはもう、てんで駄目。ロマンス小説が成立するための重要な条件ってなんでしたっけ? そう、魅力的なヒーローですね。ところがこの作品のヒーローときたら・・・。こんな奴がヒーローの訳がないと思って、かなり後ろの方まで別の男性をヒーローだと信じて読んでた馬鹿なわたし。いや、だから最初にロマンスじゃないって断っておいてくれればよかったのに(泣)。そんなこんなで、読後感もなにもあったもんじゃない。感動の(たぶん)ラストでも「はい?」ってな状態。いや、すごいビックリしたって。
ロマンスだと思い込んでた私も悪いけど、本来、そんな思い込みはねじ伏せてでも何かを伝えてくれなければいけなかったはずで、そこはやっぱり作者も力不足だったんじゃないかな、と。人気作ではありますが、私にとっては星三つだなぁ。2006.8.27★★★

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2006.08.17

Scandal in Spring

Scandal in Spring (Wallflower Quartet)Scandal in Spring (Wallflower Quartet)
Lisa Kleypas

Avon Books (Mm) 2006-08
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ふたりの娘にイギリス貴族の亭主を見つけるため、家族総出でアメリカからやってきたBowman家。姉のLillianは見事ゴールインを決めて幸せな生活を送っていたが、妹のDaisyはイギリスにきて2年になる今も相手が見つかる気配はゼロだった。しびれをきらした父親は、5月末までに相手を見つけなければ、アメリカに戻って自分の会社の部下、Matthewと結婚させると宣言する。ボストンの名家Swift家の出身のMatthewは、Diasyの父がイチから育てた秘蔵っこで、ボスそっくりの冷徹なビジネスマン。Bowman家にも長年にわたって出入りしているから、LillianもDaisyも彼のことは良く知っている。あんな魅力もロマンもないガリガリの「骨ぶくろ」なんかと結婚させられては堪らない、と慌てたDaisyは最後のチャンスとばかりに鼻息もあらくStony Cross Parkでのパーティに臨むが、そこでイギリス工場の建設のために渡英してきていたMatthewと再会してビックリ。数年会わないあいだに見た目だけはすっかりイイ男になっていたのだ。一方、Matthewにはふたつの秘密があった。ひとつめの秘密はもう何年も密かな片想いを続けているDaisyへの気持ちだった。そのDaisyと結婚させようという計画を聞いてびっくり仰天するMatthew。しかし、もうひとつの秘密がある限り、Daisyの手をとることは叶わない・・・。

Wallflowerシリーズ第4作(Secrets of a Summer Night/ It Happened One Autumn/ Devil in Winter)。
「ヒロインに叶わぬ想いを抱き続けるヒーロー」って万人のツボじゃないですか? 少なくともわたしは大好き。このMatthewってヒーローはDaisyが好きで好きでしょうがないんだけど、自分のモノにする訳にはいかないので、別の男性に「あの子は最高にいい子だから貰ってやれ」なんてけしかけてみたりして、それでDaisyとそいつがイイ感じになるとドンヨリしたりしてる。ツボです(笑)。例のあの泉にかけた願いがまた胸キュン。それでもって、そんな彼の気持ちを知らないDaisyが攻めること攻めること。Matthewの追い詰められっぷりを堪能する一作です。
Daisyには正直期待してませんでした。どうも彼女って印象が薄い。Annabelleのように美人でもないし、Lillianのように激しくもないし、Evieのように不幸でもない。可もなく不可もない、お姉ちゃんの腰巾着。でも、この作品読んで、「ああ、誰でもヒロインになれるんだなぁ」ってシミジミ思いました。以前も書いたように、ヒーローは読者も恋するような魅力ある男性でなければロマンスは成立しない。だけど、どんな平凡な女の子でも、ヒーローの目にさえ特別に映っていれば、立派にヒロインになれるんですね。いやホント、見事なまでにヒロインしてます。
残念なのはラスト。ミステリじゃないんだから、一同集めて延々謎解きなんてのはちょっと頂けないし、ギリギリまでひっぱってからMatthewの秘密の種明かしをしたものだから、かなりドタバタしてしまってバランスが悪い印象が残ったかな。でも、元Wallflowerたちのバカップル振りも拝めたし(Lillianの出産にオロオロするMarcus!)、シリーズのラストとしては満足です。2006.8.17★★★★

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2006.08.15

True Confessions

True Confessions (Avon Romance)True Confessions (Avon Romance)
Rachel Gibson

Avon Books (Mm) 2001-07-31
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仕事上のトラブルをきっかけにスランプに陥ったタブロイド紙ライターのHopeは、会社の勧めで半年間の予定で田舎町Gospelに暮らすことに。元亭主の裏切りでバツイチになってから知らず知らずのうちに他人に心を閉ざしていたHopeだったが、Gospelでは心許せる友人も見つけ、いままでになかったほど幸せを感じていた。でもひょっとすると、その幸福感には地元の保安官Dylanの存在が関係しているのかも・・・。Dylanは男手ひとつで男の子を育てるパパ。息子との平和な生活を守るためにも、母親の正体は絶対に秘密だ。Hopeと親しくなるDylanだが、彼女にも息子の母親については嘘をついている。Hope自身も自分の過去や職業についてはDylanに嘘をついたまま。お互いに秘密を抱えたままふたりは恋におちてゆくが、やがてショッキングな形で真実があきらかに。一度うしなわれた信頼はとりもどすことができるのか?

コレ、むっちゃ好き! 最初から最後まで文句なしで良かった。嬉しくなっちゃいます。
とにかくDylanが最高。息子に対してはよき父。街の女性に対しては心優しいフェミニスト。そしてHopeの前では危険なセクシーカウボーイ(きゃーっ)。ハレンチな口説き文句から心揺さぶる愛の告白までなにを言ってもサマになる。いやもう、出来すぎ出来すぎ素敵すぎ。おまけにHopeに対する惚れっぷりがまたツボです。
このヒーローだけでも充分五つ星なんですが(我ながらすごい評価基準だ)、ふたりのロマンスがまたいい。恋に落ちてゆく不安とヨロコビが見事にセキララに綴られていて、もう胸がキュンキュン言いっぱなし。愛し合えたときの幸福感とか、裏切られた絶望感とか、とにかく真に迫るものがありました。ドラマチックさも申し分なし。
でも、なんといっても一番凄かったのは、空気感かもしれない。お隣さんとの交流とか、のどかな田舎の日常とか、この変テコなGospelという町にHopeが見出した安らぎがすごくよく伝わってくる。それがあるからこそ、どっぷり物語りに浸ることができたのかな? おまけにGospelの住民たちの奇妙奇天烈ぶりもRachel Gibson節炸裂って感じだし。とにかく最高でした。彼女の作品のなかでもマイベストです。2006.8.14★★★★★

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2006.08.09

The Indiscretion

The IndiscretionThe Indiscretion
Judith Ivory

Avon Books (Mm) 2001-04-03
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1899年イングランド
侍女の結婚式の帰り道、Lydiaは両親には黙ってひとり従兄弟の家への寄り道を計画する。わずか数時間の馬車の旅だが、子爵家の箱入り娘Lydiaにとっては一世一代の大冒険だ。ところが、酔っ払った御者が馬車から転落し、馬車が暴走をはじめたのもだから、旅はホンマもんの大冒険へと転ずる。沼に突っこんだ馬車から間一髪で脱出したものの、もうひとりの乗客、カウボーイハットにブーツ姿のアメリカ人Samとふたりきりで無人の荒野をさまようはめに。Samのサバイバル能力に助けられつつ遭難生活を送るうちに、ふたりは当然のように惹かれあうようになる。やがて心配して探しにきた従兄弟に救助され、Samに別れを告げるLydia。どんなに好きな相手でも、現実の世界では子爵の娘とカウボーイが付き合うなんて許されない。Lydiaは親の選んだしかるべき男性と結婚しなければいけないのだ。ところが、子爵家で開かれたとあるパーティに現れた男性にLydiaは仰天する。紳士然と正装したSamだった・・・。

奇しくも今日(明日?)「舞踏会のレッスンへ(原題: The proposition)」で日本デビューするJudith Ivoryです。この人ってホント、彼女にしかかけないロマンスを書いてくれます。飄々として赤裸々、とでも言いましょうか。真面目な顔して冗談を言い、ふざけたふりして真情を語る、あの独特の雰囲気は好き嫌いがあるかも知れませんが、ファンにはたまらない魅力。際立ったキャラクター造形も特長です。
傑作ぞろいの彼女の作品のなかでは、今回のは少し評価が落ちるかな。いや、前半はいいんです。自主自立に憧れる深窓の令嬢と、理由はさておき三度も結婚式をぶっちした奔放なカウボーイ。ヒストリカルではみたことのない独創的なカップリングのふたりが荒野をさまよう! それはもう、面白いです。自然のなかで時間を過ごすうちにふたりとも活き活きしてきて、何故か楽しげにすら映る遭難生活。ふたりのケミストリーもばっちりで、登場人物ふたりしかいないのに全く飽きさせません。AVかと見まごうラブシーンの台詞まわしにはちと参りますが(笑)。
ところが後半、現実世界に戻ってからは残念ながら少々失速気味。Samの正体が明かされて、へぇという驚きはあるんだけれど、肝心のふたりのロマンスがどこか不自然。特にLiddyの心の動きが迷走気味。Emotionalな正確さを誇るJudith Ivoryがどうしちゃったの、という説得力の弱さ。いや、悪くはないんだけれど、もうちょっとこう、ガツンと脳髄に一撃を期待していたので残念だなぁ、と。2006.8.9★★★★

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