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2006.07.29

Be My Baby

Be My Baby (Avon Light Contemporary Romances)Be My Baby (Avon Light Contemporary Romances)
Susan Andersen

Avon Books (Mm) 1999-03
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Julietはボストンの名家の出身で、祖母に厳しくしつけられた生粋のお嬢さま。父親の経営するホテルチェーンが新しく開業することになったホテルのオープニングセレモニーの準備のため、現地ニューオーリンズに向かう。初めてひとりで任された仕事にJulietの士気は上がる一方だったが、気に食わないことがひとつあった。開業に反対する人間から脅迫状が届き、真に受けた父親がJulietにボディガードをつけたのだ。一方、「まともな刑事の仕事」を外されて子供だましのようなボディガードを命じられたニューオーリンズの刑事Beauも不満だった。かくなる上はお嬢さまの不興をかって、一刻も早くボディーガードを解任してもらわなければ、とニューオーリンズでも指折りのイカガワシイ界隈にJulietを連れ回すのだが、何故かお嬢さまは楽しそうに目を輝かせている。一緒にいるうちに、Julietのことばかり考えるようになってしまうBeau。ヤバイ、ヤバイと思うのだが、本当の危機がふたりの身に迫っていることには気がつかずにいた・・・。

いや、アツイのなんのって。ヒーローとヒロインもそうなんだけれど、それよりもニューオーリンズが! 読んでるだけで汗がダラダラでてきそうで見事といえば見事なんだけど、そんなに不快指数を盛り上げてくれなくてもいいのに、とただでさえ暑さにウンザリ気味の私はちょっと参りました。
それから、ヒーロー。男性ホルモン濃すぎです。ロマンスのお陰で「オトコ」っぽい殿方の許容範囲はかなり広がった方だとは思うんだけれど、Beauはビミョーにしかし確実に許容範囲を超えている。ヒゲの剃り跡が青々としているのは私的にはアウトなんだけど、これってセクシーなの? ふと手が触れた彼のシャツの胸元が、ラブシーンでもないのに汗でしっとりしていたらちょっと引くのはあまりに潔癖性なのか? 男手ひとつで三人の妹を育てていて、妹がひとり立ちしたらニューオーリンズ中の女と遊びまわるのが夢、ってのは可愛くなくもなかったんだけど・・・。「ヒゲ」って文中に出てくるたび、「ああご勘弁を!」って感じでした。
うだるような暑さとテストステロンに食傷気味で、「もうこの人の作品は読むもんか」と前半は思っていたんだけど、後半にはいってふたりの関係がヒートアップしてくると、ニューオーリンズの暑さも気にならなくなり(笑)、Beauの描写も「オトコっぽさ」から「かわいらしさ」に重点が移ってくると私の守備範囲にずっぽしはまってきました。
軽快でセクシーでスピード感のあるロマンス。前言撤回してもう一冊くらい読んでもいいかな。2006.7.29★★★★

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2006.07.15

The Secret Pearl

The Secret PearlThe Secret Pearl
Mary Balogh

Dell Pub Co 2005-11-29
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殺人の罪を着せられそうになり、着のみ着のままロンドンに逃げてきたFleur。所持金も底をつき、もう二日間何も食べていない。とうとうFleurは生きるために身体を売ることを決心する。初めてのお客は顔と身体に傷をもつ紳士。食事を奢ってもらい、気前良く要求の三倍の代金を支払ってはくれたものの、優しさのかけらもない彼の行為にFleurは身も心も傷つく。やがて、その金すら使い果たし、再び客をとる覚悟で街に出てきたFleurは、思いがけず家庭教師の職を得ることに。あと数日早くこの仕事を得ていれば、穢れた身体にならずにすんだものを、と運命を呪いつつ、Fleurは新しい職場Willoughby Hallへと向かう。女主人と乳母に冷たくあしらわれ、甘やかされて育った5歳の生徒に手をやきつつも、Fleurは自分の生きる場所をWilloughbyに見出していく。やがて、ずっと不在だった家の主がロンドンから戻ってくる。主人の顔をみたFleurはショックをうける。なんと、あのときの男ではないか。

うひょ~! というのが最初の10ページを読んだときの感想。ひさびさにガツンとやられました。
少女が身体を売るというショッキングなシーンを、センセーショナルに走らずに、抑制されたトーンで俯瞰的に綴っていく。それでいて、そのシーンだけでFluerというキャラクターがわかってしまうという。うわぁ~凄いなコレ、とワクワクしました。しかも、その時の冷酷な客がヒーローで、しかも妻子持ちと知ったときの興奮。どうするねん、どうやって落とし前つけるねん、と。いや、だって、読者の多くが主婦であるロマンス業界において、ヒーローの不倫はご法度でしょう? しかも子供持ちですよ? どうやって落とし前ついたかは読んでみてのお楽しみ。
なにしろ上手いですね。Fleurの過去がチラチラ、公爵家の秘密がチラチラと、いろいろ含みを持たせたもままストーリーが進行するのですが、流れがまったくもたつかないのは立派。ロマンチックサスペンスとか、結構イライラしてしまうことの多い堪え性のないわたしでも楽しく読めました。勢いにまかせない緻密な構成が伺えます。ヒストリカルにつきもののいわゆるbig wordsがほとんど使われていないのに、ちゃんと品の良いクラシカルな文章になっているのもお見事。まったくブレのないトーンは憎たらしいほどで、もっと筆が滑ってもいいのにと感じたほど。中盤、わたしの好みからするとあまりにコントロールされすぎているかな、とも思ったのですが、後半はばっちりアツく泣かせてくれたので5つ星です。いやもう、あの馬車で小指からめるシーンとか、ピアノフォルテを贈られたシーンとか、ノックアウトですよ。ふたりの深~い愛にトキメキました。おすすめ。2006.7.15★★★★★

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2006.07.09

McClairen's Isle: The Passionate One

McClairen's Isle: The Passionate One (McClairens Isle)McClairen's Isle: The Passionate One (McClairens Isle)
Connie Brockway

Dell Pub Co 1999-06-08
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AshはMerrick家の長男坊。弟とともに長くフランスの牢屋生活を送っていたが、父親の出した保釈金のおかげでイギリスに戻ってきた。ただし、ひとりで。まだ監獄に残っている弟の保釈金を稼ぐため、Ashは冷酷な父親の操り人形となる。今回の指令は、イギリスに暮らすRhiannonという女性をMerrick家の本拠地Wanton's Blushに連れてくること。実は父親はRhiannonの後見人なのだが、これまでは完全に無視していた。それが突然連れて来いという。おそらくRhiannonを4番目の妻にしようというのだろう。Ashが幼い頃に事故死した母親をはじめ、父親の妻たちは全員謎の死を遂げている。父親が殺したのだという噂もチラホラ。Rhiannonも妻となれば殺されるのではと思いつつ、Ashは父親の命令を断ることができない。
Rhiannonはジャコバイトの反乱で孤児となったハイランドの娘。当時の悪夢にいまだ苛まされはするものの、育ての親の愛につつまれ、婚約者Phillipとの結婚も間近に控え、平凡だが幸せな毎日を送っていた。しかし、そこに突然やってきた謎の男Ash。ハンサムでセクシーなAshに、Rhiannonの心は激しく乱される。
Rhiannonが婚約していたことで、Ashは安堵する。これで父親との結婚は有り得ない。ところが、Rhiannonは誰かに命を狙われているらしいということに気がつくAsh。さりげなくRhiannonの身辺を護衛し、犯人を突き止めようとする。しかし、ただ遠巻きに眺めているにはRhiannonはあまりにも魅力的で・・・。

"MaClairen's Isle"というMerrick家の三きょうだいを主役としたシリーズものの第一作。
As You Wish, All Throught the NightとハートをわしづかみにしてくれたConnie Brockwayがハイランドを舞台に書いたということで、いや、めっちゃ期待していました。ところが・・・あれっ? ちょっと、コレはどうよ?
著者を知らずに読んでいたら、「これだから素人は・・・」とか思っちゃいそうな迷走ぶり。色々設定に工夫を凝らしてくれてはいるんだけれど、何がしたいのか意味が不明。loose endが多すぎ。Rhiannonの家族の死とMerrickの暗い過去を絡めたいんだか、絡めたくないんだか。結局Phillipは何者だったのか(ただの寝取られ男?)。父親の三人の妻たちの死は何だったのか。冒頭でかなりページを割いて解説してくれたWanton's Blushの歴史にしたって、重要なんだか重要じゃないんだか。あれれ。私数十ページ読み飛ばした? なんか重要なこと見落としてる? 
ロマンスの外のプロットが緩み気味なら、ロマンス本体もイマイチ。心の動きに流れがない。ところどころに心ときめく素敵なシーンがあったりはするんだけれど、どうも突発的。イベントを重ねてテンションを上げていくって感じは皆無。打ち上げ数が超少ない花火大会を見ている気分ですよ。あれー? どうしちゃったの? 2006.7.9★★★

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