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2006.04.30

The Wolf and the Dove

Wolf and the DoveWolf and the Dove
Kathleen E. Woodiwiss

Avon Books (Mm) 1996-08
売り上げランキング : 187,869
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1066年 イングランド。
ノルマンディー公William率いるノルマン軍がイングランドに侵攻。イングランド国王Edwardの統治は風前の灯火だった。Aislinnの住むDarkenwaldもノルマン軍の手に落ち、一夜にしてAislinnは領主の娘から奴隷の身に転落する。父は殺され、母はすさまじい暴行を受けて発狂、Aislinn自身もノルマン軍の騎士Ragnorによって陵辱さてしまう。Williamの命により占領後のDarkenwaldの領主となることになっていた騎士Wulfgarは、これに遅れて到着し、Ragnorによる大殺戮の跡をみて愕然とする。残された住人たちをまとめ、廃墟となったDarkenwaldを立て直さなければならない。WulfgarはAislinnを通じて住人たちを支配しようと、彼女に愛人になることを強要する。Darkenwaldの人々を無意味な死から守るため、プライドを押し殺して愛人の座に甘んじるAislinn。しかし、その傲慢な鎧の中に潜んだWulfgarの公正さや情け深さに触れるにつれ、Aisulinnは彼に惹かれていく。Wulfgarも美しく誇り高いAisulinnに心を動かされるが、私生児として自分を産んだ母に酷い仕打ちをうけて女性に対する愛情と信頼を失ったWulfgarは、決してAisulinnに心を許そうとはしなかった。そんな二人の周りにはAisulinn欲しさにWulfgarに敵愾心を抱くRagnorや、奴隷の身で女主人の座に収まるAisulinnを苦々しく思うWulfgarの妹など、陰謀の影が渦巻く。やがてAisulinnは自分が身ごもっていることを知る。父親はRagnorなのか、Wulfgarなのか?

最初に奥付を見てビックリ。1974年初版の74刷!? 
ファンの人には悪いけれど、バーバラ・カートランドの作品を読んで「なんじゃこりゃ」と思って以来、古い時代の作品は敬遠していたはずだったのに。未読の棚に長く埋もれていたせいで、どういう意図で購入したのか今となっては分からない。ちょっとでもヒントが得られればとAll About Romanceで作品情報を探してみた。
で、結局購入した理由は不明なままだったのだけれど、その代わり面白いことがわかった。この本は、というかこの本に代表される70年代のロマンス作品はとーっても評価が分かれるらしい。旧来のロマンス・ファンを中心に熱烈に愛する人々がいるかと思えば、一方で新興ロマンス・ファンを中心に"Bodice Ripper(笑)"と呼んで見下す人々がいる。崇拝者曰く「近ごろの作品は短かすぎて深みがない。主人公も良い子ちゃんばっかり。"Wulfgar"はどこに行ってしまったんだ?」と。敬遠派曰く、「二人の人間の物語に500ページはあまりに冗長。野蛮で暴力的で登場人物も浅掘り。文章は華美でいかんせん古臭い。」と。喧々諤々の論争が繰り広げられている。
こりゃ面白そう、とワクワクしながら読んでみましたが、うん、どちらの言い分も正しい! "Bodice Ripper"とは言ったもので、Aisulinnのドレスは裂かれて裂かれて裂かれまくり、とうとう着るものがなくなってしまうほど。別に笑いを意図して書かれているわけではないだろうに、思わずふきだしてしまった。あまりにステレオタイプな悪人にはちょっと興ざめだし、どこか書割っぽい嘘くささもある。イベント重視型で、登場人物の内心に迫る部分は無いわけじゃないけれど、非常に限られている。だけど、500ページが長すぎるかというと、たしかに長いけれど、そこはやっぱり長編ならではの旨みもある。暴力性だって中世という舞台によく合っていると思う。それにWulfgarですよ。いやー、悪いけどタイプ。超このみ。
それよりも、個人的にはAislinnのキャラクターが一番ひっかかった。何なんですか、あのコムスメは。結婚してくれ、結婚してくれと言うわりに、本当にWulfgarのことを愛しているのかどうかが全然伝わってこない。とうとう最後まで感情移入できずじまい。これはAislinn特有の問題なのか、70年代ロマンス共通の性質なのかはわからないけれど、かなりの減点材料なのは間違いない。だって、感情移入できなくて何のためのロマンス?
でもWulfgarが素敵だし、中世ロマンスにちょっと目覚めたので4つ星。2006.4.30★★★★

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2006.04.15

Glory in Death

Glory in Death (In Death (Paperback))Glory in Death (In Death (Paperback))
J. D. Robb

Berkley Pub Group (Mm) 1995-12
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21世紀のニューヨーク。
とある高名な女性検察官が雨の路上で喉を割かれて死んでいた。ハイソな彼女が足を踏み入れるはずのない柄の悪い地域で。どうやら誰かと待ち合わせをしていたらしい。相手が犯人だろうか? 被害者の家族と親しく付き合っていた上司の指名で、NYPSDの誇る凄腕女性刑事Eveが事件を担当する。数日後、人気女優が同じ手口で殺害される。ニュース性の高い事件にマスコミは殺到、しかも頼りになるはずの上司は友人の死で情緒不安定になり、ただでさえ難しい捜査は非常にストレスの多いものに。しかも二人の被害者の数少ない共通の知り合いが自分の恋人のRoarkeだったりする。仕事だけでも厄介なのに、Roarkeとの関係にも波乱が。Roarkeの愛情に依存してしまうことを本能的に恐れるEveは、二人の心に距離をおきたがり、自分の中にあるRoarkeへの愛も認めようとしない。Eveの心を丸ごと欲しいRoarkeはそれが我慢ならず、ついに最後通牒を突きつける。全か無か。中途半端は耐えられない、と。

"In Death"シリーズ第二作。
うーむ。なにしろ信じられない亀ペースで読んだので、感想を書けるほど全体を把握しきれていないのだけれど・・・なんというか、普通(じゃないけど)のサスペンスになっちゃったなぁ、と。一作目に比べてロマンスの配合比減ってない? ていうか、ロマンスが殆ど背景に消えかけてない?
ハードボイルド臭は薄れたもののやっぱりEveのキャラは魅力的だし、近未来の街の様子や警察の仕事振りも非常にリアリティがあって、セッティングとしては最高なのだけれど、ほら、事件が主役っていうの? 混乱を極める捜査とか、深まる謎とか、「正直、誰が犯人かとか、どうでもいいんです」なんていう私のような人間には何の価値もない。まさに馬の耳に念仏って奴です。
EveとRoarkeの関係が緊迫するシーンでは「よっしゃぁ!」とガッツポーズをとるも(極悪)、結構あっけなく解決しちゃうし、そもそもRoarkeは殆どずーっと舞台裏に消えてるし、なんだなんだもっと見せろよーと欲求不満。執事のSummersetはかなりツボなのだけれど、彼だって超脇役だしね。
ねー。やっぱ向いてないみたいですわ、ロマンチック・サスペンスは。2006.4.15★★★


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