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2006.02.27

Fatal

FatalFatal
Michael Palmer

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鉱山に支えられた南部の田舎町Belindaで開業医を営むMattは閉所恐怖症の男やもめ。最愛の妻は肺がんで亡くなったのだが、家系的にも生活習慣的にもかかるはずのなかった珍しいガンだったため、Mattは鉱山の廃棄化合物が発症の原因に違いないと信じている。父親も鉱山の事故で失っており、鉱山会社BC&Cの安全衛生対策には強い不信感をもっているのだ。MattはBC&Cの管理体制に対する調査を再三要求するが、相手もなかなか尻尾を出さない。今ではすっかり狼少年状態で、誰も相手にしてくれなくなっていた。ところが、そんなMattの元にBC&Cの廃棄物不法投棄場所を告発するメモが届く。一方、町の鉱山労働者の間では妙な神経線維種が流行しはじめていた。廃棄物に含まれる化合物が原因に違いないとMattは一人キケンな調査を開始する。

【これはロマンスではありません】
廃棄化合物の不法投棄、謎の風土病、政治がらみの新ワクチン承認、起こるはずのなかった伝染病。ワクワクするような材料が互いに絡み合って(実は一部絡まってませんが)、野心的なプロットが展開されるメディカル・サスペンス。キャラクターは魅力的だし、アクションシーンも見事。
しかし「スカリー」がいないってのがマズイですね。あの「Xファイル」のスカリー捜査官のことです。主人公のMattは思い込みの強さといい、無鉄砲さといい、「モルダー」と同系列の愛すべき暴走キャラ。主人公が暴走しちゃうと読者は置いてきぼりくらっちゃうことになるから、それを止める役割を果たす人間が必要になる。でも、この作品では誰も止めてくれない。皆一緒に走っていってしまう! 「ワクチンの中にプ***が入っているんだ!」と物凄く飛躍した議論を展開したときも、みんな「そうだ、そうだ!」ってな具合。誰か突っこんでよ、「それ飛びすぎです。K点こえてます」って。いいんです、論理なんて飛躍したって。結局はいつもモルダーが正しいんです。ただ、「そんなわけないじゃん」ってつっこむスカリーがいるのといないのとでは、リアリティが違ってきませんか? もしもNikkiがスカリー役を果たしていれば、もっともっと面白くなったと思うんだけど。
ロマンス・ファン的には「男のファンタジー」を興味深く見せてもらった気がします。女性が「魅力的な男性に誘惑される」というファンタジーを持っているように、男性も「魅力的な女性に『あなたは命の恩人よ』と突然キスされる」というファンタジーを持っているのだなぁって。一緒だねぇ。・・・はっ、両方待ち姿勢じゃん。どうりで現実には小説のようなロマンスが発生しないわけだ。 2006.2.27★★★

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