« Into the Night | トップページ | プライドと偏見 »

2006.01.13

The Veil of Night

The Veil Of Night (Signet Eclipse)The Veil Of Night (Signet Eclipse)
Lydia Joyce

Eclipse Pr 2005-04-30
売り上げランキング : 850,368

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

1864年イギリス。伯爵家の道楽息子JackはRaeburn公爵に多額の借金があった。返済の見込みもないJackにRaeburnは法的手段に訴えることを仄めかす。家名に傷がつくことを恐れたJackの姉、32歳オールドミスのVictoriaは、Reburnの屋敷まで返済期限延長の交渉に出かける。Raeburnは廃墟同然の屋敷に引きこもって社会との交わりを絶ち、夜にしか出歩かないという噂の謎の多い人物。陽も差し込まない屋敷の異様な雰囲気に呑まれながらも、Victoriaは弟が伯爵の地位を相続するまで返済を待って欲しいと要求。それに対してRaeburnの出した条件は、Victoriaが一週間屋敷に滞在し、Raeburnの意のままになること、というものだった。

前半は正直、「もうこの作者の作品を読むことはないなぁ」と思いましたよ。ちょっと「嵐が丘」を思わせるオドロオドロしい雰囲気は大したものだったし、矢継ぎばやのラブシーンも大胆と言えなくもなかったけれど、なんとなく全体的にドライ。様式美を追求しすぎて心に迫ってこないタイプの作品かなぁ、と。ところが、じわじわとそれが変わっていって、後半はもうトキメキっぱなしでした。
一週間限定「愛の奴隷(^^;)」なーんていうエロチカ設定の割りには、後半はほとんどラブシーンがありません。じゃあ何してるかっていうと、互いに相手を知ろうと探りを入れあうわけです。仮面をつけて他人に心を閉ざし、大きな秘密を抱えて生きてきた二人が、怯えながらも徐々に相手に心を開いていく。台詞は殆どなくて、お互いの心情が変わりばんこにひたすら綴られるだけなんですが、これが何故か読ませる。VictoriaのもどかしさやRaeburnの切なさに「うぉぉ」と悶えっぱなしでした。自分をさらけ出すということは、服を脱ぐことよりもずっとずっと勇気のいる行為なのだなぁ、と。
定型キャラの定型設定で予想外の展開もないストーリー。でも、とってもとっても感動しました。心の動きが丁寧に書かれていたからかな。どっぷり感情移入して、最後は主人公と一緒にハッピーになる。これぞロマンス。最近満点出しすぎなのでちょっと辛くしようかとも思ったのですが、デビュー祝いということで。2005.1.13★★★★★

|

« Into the Night | トップページ | プライドと偏見 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16096/8143471

この記事へのトラックバック一覧です: The Veil of Night:

« Into the Night | トップページ | プライドと偏見 »