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2006.01.15

プライドと偏見

映画「プライドと偏見」を見てきました。
BBCバージョンの「高慢と偏見」の大ファンとしては期待半分、不安半分だったのですが、いや~良かったですよ!

原作で文庫本二冊分、BBCバージョンで300分という内容をどう2時間に納めるのかが一番の不安の種だったのですが、リジーに完全フォーカスすることで上手くまとめていました。魅力の一つである脇役のキャラクターがかなり単純化されていたり、コミカルな部分がごっそり切り落とされていたのは残念でしたが、その分ロマンスはシンプルだけど勢いがありました。原作やBBCバージョンだとお互いに反感を抱いていた二人が徐々に恋に落ちていくわけですが、映画では殆どあったその日に惚れています。2時間では恋に落ちてる暇がないという苦肉の策かもしれませんが、これはこれで若々しいスピード感があって良かったです。演出はかなりドラマチック寄りで(なにしろ1回目のプロポーズが何故か雨の中だよ!)、その辺も私好み。
リジー役のキーラ・ナイトレイが無茶苦茶カワイイ。あのちょっと歪んだ、困ったような笑顔とかたまらんですね。大画面に映えまくりです。私の抱いていたリジーのイメージにくらべると若々しくて情熱的でストレート。でも、BBC版「高慢と偏見」とは全く別の作品としてこの映画を見られたのはひとえに彼女の演じたリジーのキャラクターの強さのお陰です。作品の雰囲気を殆ど一人で作りあげてました。
そしてダーシー役のマシュー・マクファディン。コリン・ダーシーに較べると傲慢さはかなり控えめ。ナイーブさやシャイさを前面に出したダーシーで、迷子の仔犬みたいな視線がたまりません。リジーと目があうと逸らすんですよ(キャー)! 可愛すぎ。リジーの手をとって馬車にのせたあと、その手の感触を思い出すようにこっそり指を動かすとことか、「初対面の人と話すのは苦手」と告白する声がちょっと震えてるところとか、母性本能直撃です。コリン・ダーシーのような圧倒的な引力はありませんが、家に帰ってから「あ、もう一回見たいなぁ」と思わせる、後を引く魅力の「優しいダーシー」でした。

フォルテピアノのくせに何故グランドピアノみたいな音がするのかとか、朝もやのなか現れたダーシーはどこでレディ・キャサリンから話を聞いたのかとか(ロージンズパークから歩いてきたのか?)、謎はつきませんが、いいのです。感動したから。結果オーライです。
BBC版と較べて辛い点をつけるレビューも多いみたいですが、私は全然別の作品として気に入りました。絶対DVDも買っちゃうと思います。しかし、こんな風に違う解釈をしても作品として破綻しない原作の懐の広さには脱帽ですね。

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コメント

はじめまして。
私は原作もBBC版も知らずに観たからか
純粋に感動できました。
こちらのコラムを拝見すると
原作の方がとても気になってきました。
キーラは意思の強い女性を演じると
とても良いですね。
舞踏会などで「あはは」と笑う表情がかわいかったです。

投稿: ゆづあげ | 2006.01.15 19:31

はじめまして、ゆづあげさん。良かったですよねー、「プライドと偏見」。原作も古典とは思えないくらい(偏見ですね)アツいので是非お楽しみください。
キーラ・ナイトレイはこの作品で初めて観ました。ポスターの写真とかみて、「ものすごい美人だなぁ」と思ってたんですが、笑うと”綺麗”というより”かわいい”感じがして、いいですね。女性にも好かれる美人女優かも。ちっちゃい胸にも親近感がわきます(笑)。
ところで、見た直後はキーラの印象ばかり残っていたんですが、1日たった今日、仕事中頭に浮かんだのは何故かマシューのダーシー。やっぱりスルメだゎ、あの人は。

投稿: bookgirl | 2006.01.16 21:11

bookgirlさん、こんばんは(^^)
私も「プライドと偏見」見てきました。
リジー役のキーラ・ナイトレイ可愛かったですよね。
笑顔や仕草の一つ一つが可愛いかったです。
そして、ダーシー役のマシュー・マクファディン♪
正直私の好みではなかったのですが・・見ているうちに格好よく思えてきました。私もリジーの手をとって馬車にのせたあと、その手の感触を思い出すようにこっそり指を動かすところ・・もうツボでした(笑)
BBC版「高慢と偏見」・・映画を見たその日の夜に早速注文しました。もうこれは見ずにはいられない(笑)
お休み前夜に一気に見る予定です。(楽しみです)
遅ればせながら「高慢と偏見」にはまる日々です。

投稿: すぐり | 2006.01.18 20:49

>お休み前夜に一気に見る予定です。(楽しみです)
やーん。これから見るだなんてうらやましい!
もうね、凄いですから。伝説の名作です。思いっきり期待して見て下さい。
また感想きかせてくださいね。

投稿: bookgirl | 2006.01.19 20:33

またまたお邪魔します。
結局我慢できず、翌日仕事にもかかわらずBBC版「高慢と偏見」一気見しちゃいました!
絶賛される理由がわかりました!
もうもう素晴らしいの一言です。
イギリスの田園風景も素晴らしいし、ファッションもツボでした!
何よりコリン・ダーシー様にメロメロです(笑)
いや~ん、かっこよすぎです!
エリザベスを見つめる目が素敵ですし、表情がまた良いです。
ジェニファー・エイル扮するエリザベスも魅力的でした。
凄く美人だとは思わないのですが、(失礼ですね;)ダーシーと並ぶと艶っぽいというか・・とにかく見ていてニヤニヤしてしまう私です(笑)今更ながらに19世紀にこんなものが書かれていただなんて!凄いです。
映画版よりBBC版のベネット夫人&コリンズが強烈でした。
二人の結婚生活を描いた「The Bar Sinister」読んでみたい~でも手に入りにくいみたいで残念です。
あとダーシー様のお屋敷見てみたい~とすっかりミーハーな私です。DVD買って良かったな改めて思いました!今夜も見る予定です。

投稿: すぐり | 2006.01.21 19:27

良かったでしょう?良かったでしょう?
ダーシーさまのお屋敷はライムパークというところです。ちなみに映画版ペンバリーの撮影に使われたのがチャッツワースというお屋敷。
どちらもピーク地方にあるので頑張れば1日でまわれますよ。イギリス旅行の際には是非是非チェックしてください!

投稿: bookgirl | 2006.01.22 20:07

はじめまして。公開終了間際に見に行ってすっかりはまりこんでしまい、ネット検索かけてこちらにたどり着いた次第です。
キーラの瑞々しい美しさと勝気なところもよかったし
ダーシーもまさにスルメ!そのものですね。
雨の中の告白シーン抑えきれずにあふれる想いが
画面越しにも伝わってきてドキドキ。。。
英国の素敵な景色と衣装もあいまって
なんてドラマティック!
原作もBBC版も未見だったのですが、映画からの帰りにそのままお店へ直行。おりしもセール価格で売り出し中。即効GET。
でこれまた今度はコリンに見事にやられちゃいました。
うわさには聞いてたものの、今まで見てなかったことが悔やまれます。遅まきながらしばしどっぷり浸りたいと思います。
原作本に手を出してしまうのは時間の問題のようです。
長々と失礼しました!

投稿: mina | 2006.02.16 23:16

はじめまして、minaさん。

えっ、もう公開終了間際なんですか・・・。なんてもったいない(X_X)。ま、あとはジックリDVDで楽しみます。BBC版とちがって2時間だから、気軽にみれちゃってむしろ危険かも!

BBC版も気に入っていただけて嬉しいです(って私が作ったわけではないですけど、同志が増えて嬉しいってことです)。セール価格だったなんて、無茶苦茶ラッキー!

原作も是非おためしあれ。複数の訳本がでていますが、評判がいいのは新潮文庫の「自負と偏見」(名訳との定評あり)とちくま文庫の「高慢と偏見」(新訳。読みやすい)みたいですよ。
1813年の作品ということで、何故か半分『古文』みたいなのを想像していたんですが(笑)、なかなかどうして、かなりセキララで面白かった。さすが元祖ラブコメ! 恋する気持ちってのは今も昔も変わらないもんだなぁと感心したものです。

投稿: bookgirl | 2006.02.17 20:44

レスありがとうございます!
新潮文庫とちくま文庫ですね。チェックしてみます(もうすっかり
購入モード)
それにしてもBBC版、見れば見るほどコリンかっこいいっす。
ますます深みにずぶずぶと、、、、
しかしBBC版みてると脇キャラ強烈すぎて結婚後のエリザベス
まだまだ大変そうだわなどと、
余計な心配してしまうのですが,これが老婆心ってものでしょうね。
続編やパロディがいっぱいあるのも納得です。

投稿: mina | 2006.02.18 22:38

先日(2013.9.27)NHKプレミアムシネマで録画して以来、はまってしまいました。久しぶりに深みのある映画を観た気がしました。
30年ぐらい昔の自分と重ねて、ちょっと甘酸っぱい気持ちもありますが、それ以上にイギリス英語の会話の奥深さ、イギリスの風景やお家の中の美しさ、ほかの方もおっしゃっているように映像がどれも名画のような美しさで、音楽もとても合っていて、いやー、もう、メロメロです。51歳にしてこんな気持ちにさせてくれるなんて・・・この気持ちを誰かと共有したくて、このサイトに行き着きました。書かせてくださりありがとうございます。
実際の台詞も知りたくなりウェブからゲットしました。まだところどころしか読めていませんが、字幕がとてもうまく翻訳されていることにも感動してます。素敵な場面は練習しようと思ってます~
お父さんの言葉の深さにも感動しますねぇ・・・冒頭、妻から「(隣の屋敷の借り手が)誰か知りたい?」と聞かれて「言いたいんだろう、聞くしかないさ」という会話とか、コリンズとの結婚に異を唱える場面、リディアが叔父夫婦と保養地に行くのを止めるよう進言するエリザベスに対する応答とか、そしてもちろん、映画の最後の結婚承諾の場面など、実に趣と余裕があって、人生勉強になりました。
ビングリーが風邪で床についたジェインの前ではにかむ様子、ダーシーの妹が初めてエリザベスと会う場面の兄を見上げる表情、ベネット婦人のほめられないけれど娘を思って振る舞う様子、etc. ああー、誰か一緒に観て、一つ一つ語り合いましょうよ~☆♪!って気分です。録画以来、毎日一度は観ないとおさまらないくらい(麻薬か?笑)はまっているもので・・・。こんなにはまったのは、最近ではBBC版シャーロック(SHERLOCK)、それと、同じくNHKプレミアムで撮ったキューティー・ブロンド(Legally blonde)ですが、それらを超えるかもしれない勢いです。
ビングリーとダーシーがベネット家に来る直前のごたごた状態から召使が二人を通したときの部屋の中の落ち着きの美しさ、ここも実に良かった(ジェインが「リボンをとって」とキティに言うのはなぜだったのかしら?当時の習慣についてもっと知りたくなりました。どこかよいサイトがあったら教えてくださいね~。
)もちろん、それに続く、湖畔での告白練習の場面もとても良かったですねぇ・・・
シャーロットがベネット一家とどういう関係なのかがわからなかったし、皆さんがとてもほめていらっしゃるので、いつか原作やBBC版も経験したいと思います。きっとこの映画(2時間の凝縮)の中で触れられてはいるけれど見逃している小さなサインをたくさん発見するんじゃないかしらと楽しみです。
ところでダーシーとエリザベスは、結婚後もずーっとうまくいくのでしょうかねぇ・・・何度かは結構辛らつな喧嘩も起きそうな気がするのは私だけかしら・・・

投稿: marya | 2013.10.05 10:49

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