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2005.08.21

「高慢と偏見」を語ろう

前の更新から1週間経つので「そろそろ何か読んだだろう」と思っていらっしゃった皆さん。申し訳ありません。今読んでる本(この秋4年ぶりに新作が出る、あのシリーズの5冊目です)が何しろ長いので読み終えるまで時間かかっております。しばらくレビューが書けそうにありません(泣)。とはいえ手ぶらでお帰しするのも芸人根性が許さないので(なんでやねん!)、「高慢と偏見」について語ってみます。長いよ~(笑)。

B00005YWZ6高慢と偏見
コリン・ファース ジェニファー・エイル アンナ・チャンセロー

アイ・ヴィー・シー 2002-04-05
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時を遡ること4年。映画館で「ブリジット・ジョーンズの日記」を見た私は例によってコリン・ファースに猛烈にときめいた(というと大抵の友人は何故か「え~?」と言うのだけれど)。で、家で余韻に浸ろうとパンフレットを買って帰ったのだけれど、そこでどうやらこの作品が「高慢と偏見」のパロディらしいということを知る。
「高慢と偏見」("Pride and Prejudice")はご存知の通り1813年に書かれたジェーン・オースティンの名作だけれど、ここで言っているのはそれではなく(いや、それなんだけど)、この作品を原作として1995年に製作されたBBCのTVドラマシリーズのこと。イギリスで放映されていた当時はドラマの時間になると街から人が消えたとか、コリン・ファースがヒーローのミスター・ダーシーを演じて世界中の女性をメロメロにしたとか、何だか凄そうである。自慢の「おたくアンテナ」にビビっと来るものを感じて早速ネットでチェックしてみると、出てくるわ出てくるわハマった人々の絶賛の声。これは見なければ、と行きつけのツタヤを探してみるものの、どうやらレンタルされていない模様。DVDが販売されているけれど、2枚組みで9800円。ありえな~い。超高~い。しかし、ここで諦めては女が廃るとばかりに、清水の舞台から飛び降りる思いでDVDを購入した。そして・・・。
もうね、凄いですから。2枚組で300分もあるというのに、届いたその日の深夜、飲み会から帰ってきて酔った勢いでちょっとサワリだけと思って見始めて、結局朝までみちゃいましたから。次の日仕事だったのに。
何が凄いって、全部凄いのが凄い。イギリスの田園風景もきれいだし、エンパイアスタイルの衣装も超カワイイし、BGMもいいし、出てくる登場人物全員個性濃すぎ(お母さんとミスター・コリンズを見て欲しい)だし、大したこと無いだろうと思っていたストーリーも19世紀にこんなものが書かれていたなんて!と衝撃を受けるほど面白かった(高慢な偏見ですね)。そしてコリン・ファースだ。若い。髪の毛もふさふさで、エルビスばりにもみ上げをのばしている。「ブリジット・ジョーンズの日記」の時と同様、最初に出てきた時にはなんとも思わないのだけれど、見続けているうちにどんどん素敵に見えてくる(不思議だ)。背が高くてスーツも似合ってたけれど、この時代劇コスチュームの似合い様はその比ではない。そして目が異様なまでにセクシー。ヒロインのリジーを演じるジェニファー・エイルもパッと見、決してびっくりするほどの美人ではないのに、コリン・ファースと並ぶと二人の間にはただならぬ色気と緊張感が漂う(見てるだけで妊娠してしまいそうだ)。もう、ひとたまりもなくハマってしまった。イギリスまでダーシー様のお屋敷を見に行ってしまったほど(馬鹿です)。

ヘレン・フィールディングもこれにやられてあの"Bridget Jones's Diary"を書いた。「高慢と偏見」の現代版パロディである。ヒーローはその名も「ミスター・ダーシー」。続編の"Bridget Jones: The Edge of Reason"ではブリジットがコリン・ファースにインタビューするシーンが出てくる。ミスター・ダーシーが池に飛び込み濡れシャツ姿になる場面に拘るブリジットが可笑しい。
ブリジット・ジョーンズの日記ほど有名ではないけれど、他にもパロディ、ファン・フィクションの類はいっぱいあって、ミスター・ダーシーの視点から書いた"Darcy's Story"、男女逆転バージョンの現代版パロディになる"Lions and Liquorice"、それ自体がパロディなんだけど作中劇でも「高慢と偏見」を演じるというユニークな構成の"Pride, Prejudice and Jasmin Field"、二人の結婚生活を描いた"The Bar Sinister"(成人向けかも)など盛りだくさん。思わずパロディを書かずにはいられなくなるような力があのドラマにはあった訳ですね。多分、演じる二人の間に強烈な性的エネルギー(むぅ)が漂っているというのに、ラブシーンが一つも無いということが理由なんじゃないかと思う。シーンの裏側ではあんなことやこんなことをしてしまっているのではないか、と思わず妄想せずにはいられないのだ。
ということで、パロディ本を楽しんだり、イモヅル方式で同じ作家の別の作品なんか読んだりしていると、自然と読む本のロマンス率が高まっていった。そうこうするうちに、ある日アマゾンから"Outlander"をお勧めされ、目覚めてしまった訳である。ロマンスにハマったきっかけは"Outlander"なのは以前お話したとおりだけれど、その出会いに導いてくれたのが「高慢と偏見」ということになる。ありがたや、ありがたや。

****
追記
えーと"The Bar Sinister"、再出版されてタイトルがかわったようですね。"Mr. Darcy Takes a Wife: Pride and Prejudice Continues"というのだそうです。ご参考まで。

追記2
えーと"Lions and Liquorice"も再出版でタイトルかわってます。"Vanity and Vexation: A novel of Pride and Prejudice"だそうです。
・・・映画公開の影響か、続々再出版されてるのは嬉しいですが、どうしてタイトル変えるんだろう?

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2005.08.14

Match Me If You Can

0060734558Match Me If You Can
Susan Elizabeth Phillips

William Morrow & Co 2005-08-01
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何をやってもうまくいかない31歳のAnnabelleは優秀な家族のなかの唯一の落ちこぼれ。可愛がってくれた祖母から受け継いだ結婚相談所を成功させることに起死回生をかけるが、祖母の顧客リストはお金のない老人ばかり。宣伝のため、スポーツエージェントのHeathを顧客にしようと、友人のコネを通じて1回のお試しカップリングを取り付ける。Heathは貧しい家庭からフットボールの奨学生として大学へ行き、ハーバード法科大学を出たあとは猛烈に働きまくってスポーツエージェントとして成功したという苦労人。完全なワーカホリックで顧客対応の携帯電話を片時も放したことがない。「成功人生絵図」を完成させるべく、35歳を目前にしてついに究極の嫁(賢く上品、美人でお嬢様、運動神経がよくて当然セクシー)探しを始めたところ。顧客の顔を立てるためだけに仕方なくAnnabelleの紹介する女性にあったHeathだが、引き合わされたのがもろ好みの女性だったことからAnnabelleの結婚相談所"Perfect for You"に登録。Annabelleが引き合わせの席に同席すると会話が弾むことに気がつき、他の結婚相談所で紹介された女性に会うときにもAnnabelleに同席を求めることに。AnnabelleはPerfect for YouのためにHeathの納得する女性をみつけようと奔走するが、次第にHeathの魅力にはまってしまう。

「シカゴスターズシリーズ」復活!嬉しくってペーパーバック化を待たずに買っちゃいました。主役はシカゴスターズとは直接関係ないけれど、Heathがスポーツエージェント(Kevinの担当)、AnnabelleがMollyの学生時代の友人でPhoebeなども参加している読書サークルのメンバーということで、Molly & KevinPhoebe & Danがこってり出てくるのが嬉しい。Phoebeなんてもう押しも押されぬ「NFL最強の女」として凄い迫力(だけどセクシーでダンナとラブラブ)を醸し出していて、すっかりオトナの女です。Mollyの子供も大活躍。
作品の魅力はもう、そのまんまSusan Elizabeth Phillipsのトレードマークですね。個性的な主人公(勿論ヒーローはセクシーな馬鹿男)、あふれるユーモア、活き活きした台詞のやりとり、それでいて優しいアンダートーン。彼女のファンならきっと満足すると思います。ので本筋の感想は置いておくとして、読んでいて感じたのが、この人の本を読んでると「生活」を楽しむ感覚がよみがえるなぁってこと。必ずしもドラマチックでない、日常の平熱の生活が凄く魅力的に描かれているので、仕事だ何だと振り回されてつい日常生活をおざなりにしている我が身を思わず振り返って「はっ」とするんですよね。あとCatherine Andersonなんかもそう。ロマンス小説のそういう部分って、私にとって凄く大切だったりします。2005.8.14★★★★★

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2005.08.08

Over the Edge

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Suzanne Brockmann

Ivy Books 2001-08-28
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海軍特殊部隊の上級上等兵曹Stanは"Team Sixteen"のトラブル解決屋。冷静な判断力と卓越した問題処理能力で仲間の信頼も厚い。ある日、彼は海軍の美人ヘリパイロット Teri Howe中尉が昔の恋人であるHogan少佐にセクハラを受けているのを目撃。有能で気丈なTeriは当然反撃するものと思いきや、何故かその場でフリーズしまった彼女にトラブル解決本能を刺激されまくるStan。TeriとHoganとの間に距離を、とTeam Sixteenの遠征訓練に彼女を同行させるように上司に願いいれる。ところがカザベキスタンでハイジャックが勃発。Team Sixteenは訓練を中止して現場へ急行することになって、思いがけずTeriを危険な人質救出作戦に巻き込んでしまうことに。

Troubleshootersシリーズ第三作。
すごい濃厚!メインであるStanとTeriのロマンスに加えて、"The Defiant Hero"の手錠プレ○でおなじみのSamとAlyssa、FBIのネゴシエーターMaxと人質のGina、そしていつもどおり第二次世界大戦中のデンマークからHershelとAnnebetと計4つのロマンスが同時進行。さらには当然ハイジャッカーとFBI&SEALの攻防とそれに加えてホロコーストサバイバー Helgaとアルツハイマーの戦い(?)。一冊にこれだけ詰め込めるとは。
前2作では脇役のロマンスに主役がおされ気味だったけど、今回は主役が頑張りました。StanもTeriも非常に魅力的で、惚れっぷりもすれ違いっぷりも超一級。Stanはオトナの魅力と頑固な馬鹿男加減の配合が絶妙。気持ちよく振り回されます。そしてSamとAlyssaは相変わらず火花バチバチで、しかも今回はお笑い担当からぐっとシリアスに傾いて喜びも切なさも5倍増し。何といってもSamの妙な素直さがツボかな(F-word連発だけどそれがまたカワイイ)。「またやっちゃった」あとにAlyssaが忘れ物をとりにSamの部屋に戻るシーンとか、ラストのシーンとかグッときました。そうか、このシリーズはSamとAlyssaの物語だったのか、と納得。すっかりしてやられました。この先を読まずにはいられないっつーの。MaxとGinaもボリューム少な目ながら、マイクロフォンごしの究極の状況下でのロマンスが強烈な印象。一方、HershelとAnnebetは影薄いかな。第三者の口から語られたからかもしれないけれど。いっそ無くてもよかったんじゃ・・・。「今を生きよ」とけしかけるだけにしてはページ割きすぎ?非ロマンス部分のハイジャッカーとの攻防では、一部Samも吐くほどのえぐいシーンもありましたが、非常に緊張感あって読み応えがありました。とにかく満足ですゎ。2005.8.7★★★★★

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