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2005.05.22

An Affair Most Wicked

0060527056An Affair Most Wicked
Julianne Maclean

Avon Books (Mm) 2004-02-01
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スキャンダルから逃げるためイギリスにやってきたアメリカ人実業家の娘Clara。イギリス社交界デビューの日、会場を間違えて足を踏み入れてしまったのが婚外交渉(!?)の相手を探す男女のためのイケナイ舞踏会。そこで出会ったSegerにClaraは心を奪われてしまう。Segerは初恋の人を船舶事故で失って以来、手当たり次第の女性と快楽目的のみの交際を繰り返している不良公爵。SegerはClaraに興味を示し、あからさまな誘惑をしかけてくるが、真っ当な結婚相手を探しに来たClaraにとって、彼は絶対惹かれてはいけない男だ。だけれど、何をされてもおかしくなかった舞踏会でClaraをこっそり逃がしてくれた彼を、Claraはどうしてもただの不良とは思えない。

前半はちっとも主人公に感情移入することができず、イマイチだなぁと思っていました。なにしろClaraがなんだか浮ついていて、あまり魅力的に見えないのだ。クラスに一人はいた、恋のためならなりふりかまわないズルい少女たちを思い起こさせる。Segerもただのタチの悪い色男だし。主人公が魅力的でないのって致命的。折角のラブシーンさえ、バージンのくせに娼婦顔負けの艶っぽさで迫るClaraになんだか興ざめで。全然イケてない!と憤慨しながらとりあえず読み進めると、後半になるとガラっと状況が変わるのだ。身体だけの関係からどうやったら心を通じあわせることができるのだろうと悩む姿、どうしても相手を信じきれず、また相手に信じてもらえずに苦しむ姿が非常に切ない。SegerとClaraの仲を引きさこうと暗躍する悪役二人組みも有り得ないくらい憎たらしく、何度も「きーっ」と歯軋りしたもの。ラストには大どんでん返しまであって、前半のつまらなさは何だったんだと思うほどの面白さ。キャラはイマイチだけどストーリーは良かったってことなのかな。もったいない。
それにしてもこの表紙、何とかならないですかね。買おうかどうか凄く迷ってしまった。立て膝がヤラシすぎ。2005.5.21★★★★

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2005.05.14

My Darling Caroline

0515123692My Darling Caroline
Adele Ashworth

Jove Pubns 1998-10-01
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19世紀初頭のイギリス。ヒロインのCarolineは幼いころから数学と植物学の天才振りを発揮し、周囲からは変人扱いされて育ったオールドミス。愛する植物学を追求するためオックスフォード大学の敬愛する植物学者に弟子入りを希望するも、女性であることを理由に「家庭菜園でもやってろ!」と平たく拒絶されてしまう。最後の手段とばかりにアメリカはコロンビア大学の研究者に今までの研究の成果を性別を伏せて送りつけたところ、是非アメリカに来て共同研究しないかという返事をゲット。あとは、変人の娘を大事に育ててくれた父親をいかにして説得するかだけだったのだけれど、その父親にある日突然、Brentという男との結婚を強要される。Carolineの方はほとぼりが醒めた頃に結婚を解消してアメリカにいくつもりで、Brentの方は手違いで売られてしまった愛馬を買い戻すための交換条件として、それぞれの便宜のために始まった結婚生活。そしてもちろんお約束どおり、意に反して恋におちてしまう二人・・・。

ロマンス自体も佳作なんですが、なにしろこのヒロインの女性であるが故に認められないフラストレーションが非常に共感をさそう。誰だって「女性」であるというだけで悔しい思いをしたことが一度や二度はあるはず。男女平等の幻想のなかで学生時代を送って、いざ就職活動を開始して初めて目の当たりにした現実の姿に感じた失望と憤りは今でも忘れることが出来ません。ましてやヒロインの場合、男女不平等が良識だった時代。しかもただ女性であるがゆえに葬られようとされている、その才能は並大抵のものではなかったわけで。その中で、決してふて腐れず、何とか道を見出そうと挑戦を繰り返す姿には、周囲のせいにして諦めている自分を反省させられます。Carolineの植物学に対する愛が、Brentに対する愛の比較対照として迫力をもって語られるからこそ、ロマンスの方も活き活きと輝くのかなと感じました。二人が惹かれていく様子にも説得力あり。Brentも相当いい人だったけど、なにしろCarolineが光ってましたねぇ。植物学をとるのか、Brentをとるのか。容赦ないBrentの誘惑に揺れる女心がツボでした。2005.5.13★★★★★

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2005.05.08

Dream a Little Dream

0380794470Dream a Little Dream
Susan Elizabeth Phillips

Avon Books (Mm) 1998-02-01
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おすすめ平均

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夫の宗教詐欺事件に巻き込まれ、全てを失って幼い息子と二人どん底放浪生活を送っているRachel。とある理由から忌まわしい思い出の町、Salvationへ向かう途中、町外れのドライブインで移動手段兼住居だったオンボロ車が故障。所持金も殆ど底をつき途方にくれていたところ、従業員募集の張り紙発見。ドライブインのオーナーGabeに自分を雇い入れるよう身体を張って交渉する。Gabeは数年前に事故で愛する妻子を亡くした男やもめ。事故以降、外の世界に全く関心が持てなくなっていたのに、何故かガリガリでボロをまとったRachelに欲情している自分を発見。宗教詐欺の被害をこうむった町の人々の常軌を逸した悪意からRachelを守ろうとする。

"Nobady's Baby but Mine"でBonner家に影を落としていた悲劇の主人公、Gabeのロマンス。ストーリーの最初のRachelの悲惨生活が凄い。"Baby Love"のMaggieに匹敵するほどの悲惨さだ。あ、そういえばRafeも家族を失っていたんでした。共通項だわ。ただ、あのカップルに較べると年齢のせいか、こちらの方がmatureな印象を受ける。Rachel超たくましいし。ただ、その意地のはり様が余計に痛々しい。GabeはさすがBonner家の人間という馬鹿男ぶり。だけど、今回の馬鹿男大賞はBonner三兄弟の末っ子、Eathanでしょう!もう可愛くって可愛くって。なんでこの作者は馬鹿男をこんなに魅力的に書けるのだろう。Eathanはいろんな有名人の声で神の言葉が聞こえてくるというちょっとヤバイ領域に入りかけな美形牧師。末っ子らしい影のなさが、超越した馬鹿っぷりとあいまって、とんでもなくチャーミング。このEathanと教会の事務を担当しているKristyのほんわかロマンスがサブプロットなのだけれど、なかなか上出来。たまに脇役のロマンスって邪魔に思うときがあるのだけど、今回の場合はEathanとKristyが登場してくるのが待ち遠しかったくらい。RachelとGabeの(そしてRachelの息子EdwardとGabeの)痛々しいロマンスとちょうど良いバランスでした。長男Calも今回も馬鹿丸出しでぶっとばしてくれます(殆ど悪役すれすれです)。しかしなんといってもEathanがラブリーなので5つ星(脇役なのに~!?)。2005.5.7★★★★★

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2005.05.04

Just Imagine

Just Imagine
Susan Elizabeth Phillips

Avon Books (Mm) 2001-09-04
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南北戦争直後のニューヨーク。南部の木綿農家出身の少女Kitは彼女の農場"Risen Glory"を自分の手に取り戻すべく、北軍のヒーローCainの暗殺を企んで彼の屋敷に忍び込むが、失敗してつかまってしまう。発育が悪く(笑)、少年の服装をしているKitを男の子だと思い込んだCainはKitを馬の世話役として雇いいれる。実は彼女が義理の妹であり、母親の遺言で自分が後見人に指定されていることを知ったCainは彼女を花嫁学校にぶち込んで、自分はノースキャロライナに引越して相続したRisen Gloryの再建に力を注ぐ。そして、3年後、学校を卒業、外見だけは見事なレディに育ったKitがRisen Gloryに帰ってくる。

珍しい、Susan Elizabeth Phillipsのヒストリカル。80年代に"Risen Glory"というタイトルで出版され、その後絶版になっていたものを書き直したものだそう。
表紙に「あるべき姿の『風とともに去りぬ』」なんて推薦文があるんだけど、そのとーり!スカーレットがタラを愛したごとく、KitはRisen Gloryを何よりも愛している。愛するRisen Gloryを取り戻すためには手段を選ばない。そんな激しい性格と美貌にCainははまってしまい、KitもCainに惹かれるようになるんだけれど、もう、この二人がどうしようもなく天邪鬼。実は愛し合っているのに衝突することしか出来ない二人。超もどかしい! 主人公に感情移入するというよりは、「相思相愛なのになかなかくっつかない二人を眺める友人その1」という感じでした。愛情が深まっていくのに、気持ちを分かち合うことができず、ついにCainはKitの元を去るんですが、その後の展開は「是非レットとスカーレットにもこうなってほしかった!」という願望そのまんま。いやー、すっきりいたしました。
前書きで「今とはかなりスタイルが違いますが」なんて書いてありますが、Susan Elizabeth Phillipsらしさを充分味わえるヒストリカルです。ユーモアはあまりありませんが、キャラクターは濃くて、ストーリーはドラマチックで、サブキャラの恋愛もあり、魅力的な脇役がいっぱい出てきます。私のお気に入りは、最初出てきた時は「こいつ敵役だ!」と思ったあの方。素敵でした。是非あの方にも幸せになっていただきたいものです。2005.5.4★★★★

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2005.05.02

Lola Carlyle Reveals All

Lola Carlyle Reveals All (Avon Light Contemporary Romances)
Rachel Gibson

Avon Books (Mm) 2002-04-02
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政府の秘密工作員(ていうのか?)であるMaxは、情報のミスのために作戦に失敗、麻薬王の下から命からがら逃げ出す。波止場にあったヨットを盗んで(あるいは「徴用」して)海に出て一安心かと思いきや、その船には何故か元有名下着モデル、引退して今は下着ブランドのオーナーであるLolaが乗っていた。誘拐されたと思い、船を波止場に戻せと銃で脅すLola。波止場に戻ったら殺されること間違いないしのMax。すったもんだの末、不慮の発砲で操行装置が炎上、ヨットは操縦不可能になり、二人(と一匹)の漂流生活が始まる。

きゃー、ナイスガイと漂流って乙女の永遠の憧れです(もちろん命の保証つきで)。テストステロン100%のMaxとフェミニンを絵に描いたようなLolaのやり取りが凄く可笑しい。歯ブラシ無断借用事件とか、魚釣り競争とか、漂流の悲壮感は殆ど皆無。ただ、あと一歩のところで救助を逃して取り乱すシーンや、お約束の嵐など、漂流モノならではのドラマもたっぷり。漂流船という究極に狭い世界で繰り広げられるロマンス。いいですね。逃げ場がないって。そして現実世界に戻った後もドラマが。もともとすむ世界が全然違う二人。明日を約束できない秘密工作員生活にLolaを巻き込むことはできない、とMaxは黙って去ってしまう訳です。そうこなくっちゃ!と大喜びしたさ。そして、最後は思いっきりスィートにハッピーエンド。ただ、漂流部分のインパクトがあまりにも大きいからか、陸地のドラマがなんとなく物足りなく感じるのが惜しい。非日常ってのはそれだけで強力なスパイスだからしょうがないか。でも、面白かったです。漂流モノが他にも読みたくなってきたぞ。2005.5.2★★★★

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