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2005.04.29

Beast

Beast (Avon Romantic Treasure)
Judith Ivory

Avon Books (Mm) 1997-04-01
売り上げランキング : 431,039

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お互いろくに顔も知らぬまま婚約したフランスの貴族のCharlesとアメリカの富豪の娘のLouise。Louiseがアメリカから嫁ぎ先のフランスへ向かう船に偶然仕事で乗り合わせたCharlseは、船上で危険な恋の火遊びを楽しんでいるLouiseを懲らしめるために、暗闇で彼女を誘惑する。Louiseは初めて知る大人の恋に、顔もしらない相手にすっかり夢中。ゲームのつもりだったCharlseも、倍近く年の離れたこの美少女を深く知るにつれて恋に落ちてしまう。
船がフランスに着き、短いアバンチュールを終え、二人は婚約者同士としてプロバンスで再会するのだけれど、Louiseは船の男が忘れられず、Charlseに心を開かない。CharlseもLouiseの反応が怖く、実は船の男が自分であることを打ち明けられない。一度は全てを知り尽くした愛する人にキスさえも許してもらえないCharlse。思わぬ恋のライバルになってしまった自分自身の影に打ち勝つことができるのか?

美女と野獣。しかも美女は18歳だし、野獣の恋のライバルは自分自身だ!
キャラクタの造形が深い!Louiseは子供の頃片目を摘出していて、そのときの醜い傷を今でも抱えている。しかも関節炎を患っていて足が不自由。それゆえ人一倍見た目に強いこだわりがある、近隣では有名な洒落者。いわゆる美形ではないものの、独特の魅力で多くの人妻と浮名を流すけれど、心の底には自分のルックスに対する大きなコンプレックスを隠し持っているわけです。傲慢といってもいいほどの大人の男としての自信とは裏腹な傷つきやすく捻くれた心がグッときます。一方のLouiseはいわゆる「18歳の美少女」。自分の魅力に対する自信と、若者ならではの「自分は何者なのか」という不安。周りの人間は自分を「美しいお嬢さん」としか見てくれない。自分はそれ以上の存在であるはずだという思いと、ほんとにそうなのだろうかという揺らぎ。初めての恋に落ちるさまは、もう「まっさかさま」という表現がぴったりな潔さで、感動すら覚える。Judith Ivoryって、本当にいつも凄いキャラを作るなぁ。
CharlseがLouiseに拒絶されて悶々とする様は、さすがの「すれ違いマニア」の私も思わず涙ぐんでしまうくらい哀れ。しかも、このヒーローは他のヒーロー達と違って「美形」じゃないわけで、その分悩む姿を見るのは苦しい。しかもLouiseが彼を傷つけるのも、彼女が消えた初恋の人、つまりCharlseを健気に思い続けているが故で、もう「この気持ちをどこにぶつければいいの!」という切なさだ。
ただ、このどっぷりしたすれ違い様の割りには最後が意外とあっけなかった感があり、非常にもったいない。でも、十二分に「すれ違い」を堪能させていただいたので5つ星。2005.4.28★★★★★

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2005.04.24

Hot Stuff

Hot Stuff
Flo Fitzpatrick

Zebra Books (Mass Market) 2005-04-01
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ヒロインは10ヶ国語を操る語学の天才Tempe。「シバ神の歌姫」と呼ばれる彫刻の売買の通訳としてボンベイにやってくるのだけれど、取引の場でこの彫刻を狙う複数のグループの銃撃戦に巻き込まれてしまう。絶体絶命のTempeを助け出すのがヒーローのBrig。お喋りでハンサムな謎の多いアイリッシュ。「シバ神の歌姫」を持って(何故に!)二人でBrigの学生時代の友人の所に転がり込む。この友人というのがインド映画界(ボリウッド)の人気監督で、二人は彼の作品に出演することになる(何故に!)。夜は「シバ神の歌姫」を狙う悪党どもから逃げ回り、昼間はインド映画でアクロバティックに踊りまくるうちに二人はすっかり良い仲になってしまうという・・・。

荒唐無稽でハイテンションなコメディ。私も年をとったのかもしれない、とつくづく思いましたね。このおちゃらけた荒唐無稽さに完全に置いてきぼり状態。一人称スタイルで書かれていることもさらに状況を悪くしている。ミステリアスなヒーローBrigはホントのラストまでミステリアスなままで、彼のとる行動全てが意味不明。ま、最後にはミステリよろしく謎ときが入って、ちゃんと理由が説明されるわけですが、それまではもう頭のなかにクエスチョンマークが100個ぐらい並ぶ感じ。そういう細かいこと気にせずに楽しもうよ、という作品なのだろうけど、私向きじゃなかったですね。インド映画っぽいヤケクソ気味に賑やかな感じが可笑しくはあるんだけど、だんだんそのハイテンションさについてゆけなくなって・・・。いやはや。2005.4.24★★

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2005.04.16

See Jane Score

See Jane Score (Avon Romance)
Rachel Gibson

Avon Books (Mm) 2003-01-28
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面白かった~。
Janeは雑誌にシングル女性の独り言みたいなコラムを書いてるライター。黒っぽい服装にノーメイクでひっつめ髪とお堅い女性を絵にかいたようなルックスなのだけれど(そしてAカップだ!)、実はこっそり別の男性雑誌で大人気のポルノ連載小説も書いてたりする。この彼女が病欠のスポーツライターの代わりに地元シアトルのアイスホッケーチームの試合についてまわって記事を書くという仕事をゲットする。そこのスタープレイヤーである、派手な女性関係でも有名なゴールキーパーのLucがこのロマンスのヒーロー。
完全に男性社会のスポーツの世界にヒロインが飛び込んで苦労しながら自分の居場所を獲得していくという"It Had to Be You"を思い出させる設定。自分のタイプと正反対の女性に惹かれて混乱するLuc。絶対に自分を好きにはならない筈の男に惹かれてしまって「始まる前から関係を壊す」ような真似までしてしまうJane。修羅場めじろおしで、"Tiger Eye"で満たされなかった「すれ違いを見たい欲」もばっちり満たされました。「すれ違い」のスケールの割りには最後あっけなくマルく収まっちゃった感があって、カタルシスにはやや欠けるので5つ星にはしないけど、かなり満点に近い4つ星かな。
Rachel Gi bsonを読むのは実は初めてなんだけど、結構好きかも。追加購入しちゃった。ユーモアがあって軽いんだけどエモーショナル。Susan Elizabeth Phillipsをちょっぴりピリッとさせた感じかな?2005.2.15★★★★

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2005.04.11

Tiger Eye

Tiger Eye (Paranormal Romance)
Marjorie M. Liu

Love Spell 2005-03-06
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金属を自由に操り、金属から持ち主の心まで読み取ってしまう超能力をもつヒロインのDelaは金属アーティスト。ヒーローのHariは2000年前の虎男(「狼男」の虎バージョン)なんだけど悪い魔術師に呪いをかけられて、小箱に閉じ込められ、呼び出したご主人様の言うことをなんでもきかなければいけない奴隷にされてしまっている。偶然この小箱を手に入れて、知らずにHariを呼び出してしまったDelaはHariの刀からHariの散々な過去と傷ついた心を知って、なんとか呪いから解放してあげたいと思う。一方のHariも自分に命令することを拒み、人間として接してくれるDelaに惚れこみ、時を同じくして各方面から命を狙われはじめるDelaを命に代えても守ろうとする(といっても、死ねないんだけどね、このヒーローは)。
パラノーマル・ロマンス、というよりはロマンチック・ファンタジーって感じかな。
「愛」もしっかり描かれているんだけれど、惜しいかな、主人公二人が出合ったとき既にその揺るぎない愛が殆ど出来上がっちゃってるんですよね。何遍も言いますけど過程が好きなんですよ、私は。悶々として欲しいのですよ。どんどんすれ違って欲しいのですよ。
ただ、男前(推定)の超能力者はわんさか出てくるし(シリーズ化の予感)、アクションも豊富で、中国マフィアから龍女(「狼男」竜バージョン女性版)からサド(推定)の魔術師まで登場して内容は盛りだくさん。デビュー作というだけあって、力入ってます。あとは完全に好みの問題かな。好きな人は好きかも。私は何しろすれ違いファンなので二人の愛の揺るぎなさがマイナスポイント。あとはヒーローが虎男というあたりでちょっと予感はしていたんだけど、案の定びみょーなラブシーンが。ま、これも好みでしょうか(笑)。2005.4.10★★★

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2005.04.04

All Through the Night

All Through the Night
Connie Brockway

Dell Pub Co 1997-10-01
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いや~。よかったっす。
政治の裏舞台を仕事場にするスパイが、ロンドンに跋扈する覆面の泥棒を捕まえかけるところからストーリーが始まる。ところがこの泥棒が実は女性で、お色気作戦でスパイの度肝を抜き、まんまと逃げ出す。愛だの色だのと無縁の世界で生きてきたスパイだが、それ以来、夜な夜なこの泥棒の色っぽい夢に悩まされることに。時を同じくして、捜査の一環として顔を出し始めた社交界で出会った未亡人に、このスパイはどうしようもなく惹かれてしまうのだけれど、当然のことながら、この未亡人というのが実はオンナ泥棒の正体という訳。
これだけ見るとヒストリカル・ロマンス版「キャッツ・アイ」という感じですが、似ているのは設定(とヒーローが頻繁に「もっこり」する点)だけで、シリアス極まりない、切ないロマンスです。ヒーローのJackは孤児院出身で、性悪政治家の養子になって「最終兵器」となるべく育てられ、危なくて汚い仕事ばっかさせられている。誰も信じていないし、生きることに執着もない。ヒロインのAnneは亭主の過剰な愛情にこたえるとができず、それが原因で亭主が他人を巻き添えにして死を選んだということに深く傷ついている未亡人。自分は他人を愛することが出来ないと信じている。かなり暗い設定ですね。
Jackは勿論生まれは貴族じゃないし、とても紳士には出来ないようなことを仕事にしているけれど、心の奥底はとことん紳士。Anneの正体を知る前に彼女に求愛する様子は、「これぞヒストリカル!」という繊細さにあふれててトキメキます(「クリスチャンネームで呼んでください」シーンとか、もう、キャーっ!)。それがあるからこそ、後半で彼女の正体を知った時のすさまじいまでの荒れようが、何故か痛々しく切なく映るのかな、と。一方、泥棒AnneとJackの関係は欲望むきだし状態で、コントラストがすごいのです。リリカル系からケダモノ系まで幅広いラブシーン。なのに全然違和感がないあたりが凄い。堪能しました。ストレートに愛せない二人が互いを強く想う様子もドキドキします。ラストは好き嫌いがあるかなぁという感じでしたが、私は余韻があって好き。この作品によくあってるように思います。
最初はちょっとエイゴが読みづらかったけれど、後半はもうとまらず、休日に出かける予定も急遽取りやめてヒキコモって読んじゃったほど。ヒストリカル好きには超オススメ!2005.4.3★★★★★

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