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2004.09.24

ラブシーン考

ラブシーンはロマンスには欠くべからざる、超大事な要素である。
たった二人の登場人物でそれこそ狭い空間で繰り広げられるドラマ!
ラブシーンなんて、いまどき映画にもマンガにもドラマにも出てくるけど、やっぱりラブシーンを楽しむのに最適のメディアはロマンス小説である。映像や絵だと生ナマしすぎるってのもあるけれど、ラブシーンを読むときに一番美味しい部分ってのは、実は主人公達の心のなかで起こっていることだからだ。小説って形態が一番得意とする表現内容である。
実はないしょだけど、一度だけエロビデオってのを見たことがある。
確かにはじめは「うわぁ」と興奮したけれど、正直言って5分で飽きてしまった。だって、同じことの繰り返しなんだもん。それこそ絵も変化しないし。下品な言い方をすれば、ただ腰振ってるだけって言う・・・。そもそもオトコを喜ばせる為に作られたモノだから女性である自分には魅力が感じられなかった、ってこともいえるかもしれないけれど、多分、これは映像という表現方法の限界なのだと思う。ラブシーン向きじゃないのだ。よっぽど演技力がある二人のラブシーンなら別かもしれないけれど。いやー、難しいと思うよ。
ロマンス小説においても、ラブシーンなんて所詮はどれもやってることは同じである。妙にそんなトコでオリジナリティ発揮されても、ただの変態プレイになってしまって共感どころの騒ぎじゃない。大事なのは、エッチという究極に恥ずかしくてエキサイティングで親密な状況下におかれて、予測不可能に激しく揺れる女心(および男心)の中身なのである。何てったってそこが一番エロチックなのです。ここが上手くかけてない作品は致命的である。ただただ機械的で、思わず笑いを誘う。反対に、そこんとこが上手に書かれていれば、完全着衣でお互い指一本触れない状態だって、もう堪らなくエロチックなラブシーンになりうるのだ。

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2004.09.05

オトコの趣味ふたたび

RWA(Romance Writers of America)のサイトに統計のページがあって、これがかなり面白い。
アメリカではロマンスはミステリよりも読まれている、とか、代表的な読者像は中西部に住む35歳から44歳の主婦である、とか。ペーパーバックのフィクション分野でロマンスが占める割合は50%を超えるそうだ。マジすか?日本では有り得ない。
ふーんとおもいつつ読んでいて、最後に噴出してしまったのが「読者がヒーローに求めるものベスト3」。
1.筋肉
2.男前
3.知性
・・・筋肉だよ。やっぱりそうなんだ。どうりで海外ロマンスは筋肉オトコばかり出てくるはずである。読者がそれを求めているのだ。筋肉モリモリで男前なら少々オツムが弱くてもよいということなのだろうか?私の趣味とは随分違うなぁ。最近は海外ロマンスに影響されて、随分筋肉好きになってきたとはいえ、やっぱり順番をつけるなら 
1.男前 
2.知性 
3.筋肉
である(それでも男前ならオツムが少々弱くてもよいらしい)。
ちなみに、1998年の調査では
1.男前 
2.やさしさ 
3.知性
と筋肉は影も形もなかったというのに、大躍進である。
ところで、ヒーローにおいて知性の価値がこれほどにまで低いというのに、「読者がヒロインに求めるものベスト3」は
1.知性 
2.強い性格 
3.魅力 
であるとか。うーむ。ま、筋肉じゃなくてよかった。

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2004.09.01

ロマンス小説の魅力(3)~おっとこまえカタログ~

"The Tea Rose"を読んで気が付いたことが一つある。ロマンスのヒーローは必ず魅力的でなければいけないということだ。読者も思わず惚れるいい男でなければいけない。なぜなら、そこにこそ主人公への共感が生まれるからである。もしも読者がヒーローに魅力を感じなかったとしたら、いくら筆の限りを尽くしてヒロインのヒーローへの恋心を綴ったとしても共感は生まれない。すると所詮はヒトゴトである。他人の恋愛話を聞いてるのとおなじくらい退屈になってしまう。読者にも恋をさせなければロマンス小説は成立しないのである。
そういう理由もあってか、ロマンスのヒーローたちはことごとく男前である。ありとあらゆるタイプの男前たちが選り取りみどりだ。セクハラといわれるかもしれないが、男前を見るのは楽しい。本能だろうか?とにかく無条件に楽しいのだ。さらに小説なら現実では考えられないほど男前も存在可能である。というか、ロマンスに出てくるヒーローはもうありえないくらいカッコいいのが常識だ。そんな男前たちを堪能するヨロコビは、ロマンス読みの楽しみの中でもとっても重要なポイントである。
そんな男前カタログのなかから私のお勧めを紹介。ダイアナ・ガバルドンの"Outlander"(邦題は「時の旅人クレア」と少々ダサいのだが)のヒーロー、ジェイミーである。いい男ぞろいのロマンスヒーロー達の中でも、彼はもうダントツのカッコよさである。することなすこと、口にすることしないこと、とにかく男前である(と思わずボキャ貧に陥るほどカッコいいのだ)。どんなにカッコいいかはもう読んでいただくしかないのだけれど、愛のあまり読者がつくったこんなページから魅力の一端でも伝わるだろうか。・・・伝わらないほうに5000点ね。

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ロマンス小説の魅力(2)~感情のジェットコースター~

とはいえ、ハッピーエンド保証はなにもロマンスに限ったことではない。一部の不幸モノを除いて、エンターテイメントの基本はハッピーエンドだ。全ての悪人は裁かれ、全ての殺人事件は解決し、全ての戦いは勝利し、全てのビジネスは成功し、全ての恋愛は成就するのである。じゃあ、何故ロマンスなのか。
エンターテイメント小説の中でロマンスが特殊なのは、ストーリー中で最も大きな事件が主人公の心の中で起こるという点ではないか。なんにもなかったところに突然、あるいは徐々に「愛」という奴が芽生えるという事件である。ストーリーを彩るドラマも全て主人公の心の中である。ためらい、疑い、よろこび、失望。ロマンスは感情のジェットコースターだ。ポジティブ・ネガティブ、ありとあらゆる感情が次から次へと目白押し。主人公が小さな町から一歩も外へでることなく、目くるめくドラマを繰り広げるなんてことも充分可能なのだ。「関ヶ原の合戦」にしろ「密室殺人」にしろ事件は必ず「外」の世界で起こる他のエンターテイメントとの大きな違いである。
ところで私は小さい頃から物理学や天文学よりは生物学や心理学の方が好きだった。基本的に興味が「中」に向いているのである。こんな私にとって、大好きな「中」の世界での激しいドラマを楽しめるロマンスというのは、もう堪らなく美味しいジャンルなのだ。

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ロマンス小説の魅力(1)~ハッピーエンド保証~

All About Romanceのインタビューに答えて、リサ・クレイパスがこんな話をしている。実家に里帰りしているときに水害に見舞われ、救助隊に助けられるというなかなか得がたい経験をした後、母親と二人で「必要最小限のモノ」だけを買出しにスーパーマーケットへ行ったのだそう。そしてレジのところで母親と合流してみると、二人ともカゴの中にロマンスが一冊入っていた、という。ロマンスは必ずハッピーエンドである。ロマンスを読めば必ず幸せな気持ちになれる。そういう意味で非常事態においてロマンスは食糧や歯ブラシと同じくらい必要欠くべからざるモノだったのだ。
この必ずハッピーエンドであるということは間違いなくロマンスの魅力の一つである。ハッピーエンドの物語を読むと何故か自分まで幸せになるから不思議である。英雄モノの映画を見た後は自分が強くなったような気がするのと同じ現象である。勿論それは錯覚だ。だけど現実生活において幸せな気持ちになることがどれほどあるだろう?貴重な「幸せ」を感じるチャンスをたった数百円で買えちゃうのだ。

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