2007.03.11

The Music of the Night

The Music of the Night (Signet Eclipse)The Music of the Night (Signet Eclipse)
Lydia Joyce

Signet Book 2005-11
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長年の友人de Lintにわずか十二歳の私生児Adelaがレイプされた。Sebastianはde Lintを訴えるが、de Lintは誘惑してきたのはAdelaだと言い張る。世間も外面のいいde Lintの言葉を信用し、怒りを納めぬSebastianを白い目で見る。ある日馬車の事故で命を落としかけたSebastianは、そのまま死を装って世間から姿を隠し、de Lintを油断させて復讐を狙う。de Lintを追ってベニスまでやってきたSebastianは、そこで彼の愛人らしき女性の姿を目にとめる。まずは復讐の第一歩として、仮面舞踏会にその愛人を誘いて出し誘惑しようと計画する。
実はその女性は愛人ではなく、de Lintの母の付添い人Sarahだった。ロンドンのもっとも貧しい地域に生まれ育ち、幼いころから生き延びるために身体を売らなければならなかったSarah。醜い世界から抜け出したいと、友人の力を借りて教育を受け、なんとか貴族の付添い人という地位まで這い上がってきた。しかし顔には天然痘の傷跡がある。予防接種も治療も受けられなかったことを示すその傷跡は、貧民窟の出身であることの証だった。そんな自分が、美しい男から誘惑されるなんて。仮面で傷跡をかくし、Sarahは一夜の夢とばかりに身を投げ出すが・・・。

デビュー作のThe Veil of the Night同様、心理描写が優れいています。とくにSarahがよく書けています。過酷な運命を生き抜いてきたヒロインに相応しい、キレイごとでない適度なハングリーさがいいです。それでいてどこか諦観したところもあったりして、健気ではかなくもあったりして、興味深いヒロインです。状況を理解することにエネルギーのほとんどを持っていかれていなければもっと楽しめたでしょう(泣)。いや、マジで。
ドロドロなストーリーに濃厚なキャラクターで、まったくの私好みなのですが・・・なにしろ文章がキツイ。いかにもヒストリカルなbig wordの連発。普段ならそんなの気にもせず読み飛ばすのですが、この作品の場合、Adelaのレイプ事件の真相、Sebastianの復讐計画の内容、Sebastianを狙う人物の存在、と謎のオンパレードなわけですよ。ただでさえ謎めきまくりなのに、わからない言葉が多すぎると・・・オイオイ、いま何が起こっているの?ってね。私には難しすぎました。充分な語彙をお持ちの方は是非お楽しみください。2007.3.10★★★★

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2007.02.24

It Must Be Love

It Must Be Love (Avon Light Contemporary Romances)It Must Be Love (Avon Light Contemporary Romances)
Rachel Gibson

Avon Books (Mm) 2000-03
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アイダホのとある大富豪所蔵のモネが盗まれる。覆面捜査官のJoeは、美術商のKevin Carterに目をつけていた。Kevinこそ今回の黒幕であり、自分の店を隠れ蓑にして盗品売買を行っているに違いない。Joeは彼の店の共同経営者であるGabrielleを密かに尾行する。しかしある日、いつものように尾行していたJoeに突然Gabrielleが飛び掛り、銃をつきつけた。Joeをストーカーだと勘違いしたGabrielleが反撃にでたのだ。JoeはなんとかGabrielleを取り押さえ、公務執行妨害と銃を携行した罪で逮捕する。自分がストーカーではないことを納得さえるため、警官として尾行していたこととKevinに対する容疑を打ち明けざるを得なくなったJoe。それならいっそ、と、罪を見逃す代わりにGabrielleの恋人を装って店に潜伏したいと持ちかける。店に入り浸り、犯罪の証拠を探しながら、Kevinの前では恋人同志を演じ続けるふたり。一緒に過ごすうちに、自分の理想とは違うはずの相手に心ならずも惹かれていく。

はじめて結ばれるのがなんと300ページ(正確には299ページ)というスローペースぶり。しかも、その時点ではまだふたりは愛し合っていないという始末。というわけで、愛するふたりのすれ違い、というよりは、恋愛未満の緊張感を楽しむ作品でしょうか。
Gabrielleはニューエイジ系不思議ちゃん。ルックス不問で「精神レベルの高い」男にしか興味がない。みるからにセクシーでマッチョなJoeは対象外のはず。一方のJoeは古風なところがあって、家庭的な女性と一緒になって落ち着きたいと考えている。奇言奇行が服着て歩いているような、料理嫌いのGabrielleは対象外のはず。お互いの自分の理想の恋人像に対する思い込みと、情報提供者に手をだしてはいけないというJoe側の事情が恋の障害となるわけですが、うーむ、ちょっと弱い? 
でも、悶々としたGabrielleが描いたJoeのヌードが本人に見つかってしまって、"Mr. Happy" (by Kevin)の写実性が問われるシーンとか、JoeのペットのSam(クリント・イーストウッド好きの口の悪いオウム)とか、Rachel Gibsonらしいぶっ飛んだおかしさは楽しい。それにラストのラスト、ようやくお互いの愛に気がついた二人のセキララぶりにはぐっと来ます。でも如何せん残りわずか数ページではハラハラしようもなく・・・。って、欲張りすぎ? 2007.2.24★★★★

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2006.09.21

Hot Target

Hot TargetHot Target
Suzanne Brockmann

Ballantine Books (Mm) 2005-11-29
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派手なプライベートで有名な映画プロデューサーJaneの次回作"American Hero"は、実話に基づいた第二次世界大戦中のロマンスだった。ただし、それが男同士のロマンスだったことから、Janeは製作を取りやめるよう何者かに脅迫を受けるようになる。心配した映画制作会社がTroubleshootersに護衛を依頼し、Navy SEALのCosmoがJaneのボディガードを務めることに。脅迫を本気にしていないJaneは猛反発。一方のCosmoもなにかと派手なJaneに反感を抱くが、やがてお互いを知るようになり恋におちる。ところが当然ながら脅迫は伊達じゃなかった。脅迫メールの類似性から、おそらく犯人は過去にも殺人事件を犯しているとあるカルト集団であると推測。FBIまで乗りだすが、Janeと周囲の人間は危険にさらされることに。

Troubleshootersシリーズ第8作(The Unsung Hero, The Defiant Hero, Over the Edge, Out of Control, Into the Night, Gone Too Far, Flashpoint)
あらすじの通り、表向きにはCosmoがヒーローなわけですが、本作の真のヒーローはAlyssaの親友でもあるゲイのFBI捜査官 Julesです。
公式ウェブサイトのカウントダウンページにもあるように、Suzanne Brockmannの息子さんもゲイなのだそうです。たまたまゲイとして生まれてきたというだけで、人を愛し人に愛される普通の人間だってことを訴えたかったのでしょう。Julesと"American Hero"の主演男優であり、Janeの弟でもあるRobin(自称ストレート)とのロマンスがサブプロットになっているんですが、これが凄い。主役を食ってるなんてレベルじゃないです。Julesの元彼のAdamまで絡んできて、濃厚で切ない恋愛模様にメロメロです。なにしろ、あの陽気で優しいJulesがビックリするくらい男らしい。ほれます。JulesとRobinの恋の行方が気になって仕方がない。"Over the edge"でのAlyssaとSamを彷彿とさせるケミストリーです。
とまあ脇役のロマンスは無茶苦茶素晴らしいのですが、主役のロマンスがビックリするくらい出来が悪い(笑)。はっきりいってキャラもいい加減だし、あまり印象に残らない。Julesの物語の埋め草程度にしか見えません。いっそJulesを主役にすればよかったのに(ってそういう訳にもいかんでしょうが)。無口なCosmoのキャラがヒーローとしては難易度高かったということもあるのかもしれませんが、これでは残念ながら5つ星はあげられません。もったいない!
冒頭に息子さんへの献辞があるんですが、これがなんとも泣かせます。母の愛です。上述のカウントダウンページの下の方にもありますのでご一読あれ。2006.9.15★★★★

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2006.09.18

A Summer to Remember

A Summer to Remember (Get Connected Romances)A Summer to Remember (Get Connected Romances)
Mary Balogh

Dell Pub Co 2003-03-04
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奔放な独身生活を謳歌していた不良貴族Kitは、家族からの圧力で望まぬ相手と婚約させられそうになる。かくなる上は大至急で、誰もが認める相手を婚約者として見繕わなければ。そんなKitが白羽の矢を立てたのがLaurenだった。不良貴族のKitなど相手にするはずもない完璧な貴婦人Laurenと、たった二週間で婚約にこぎつけてみせよう、とKitは友人たちと賭けをする。
一年前、結婚式の日に相手に捨てられるという大スキャンダルに見舞われていたLauren。貴婦人として恥ずかしくないように、と真面目に生きてきたこれまでの人生は間違っていたのだろうか、と疑問を抱いていたところへのKitの求愛。危険な相手だと周囲に反対されればされるほど、LaurenはKitに接近してゆく。
はじめはゲームを楽しんでいたKitだが、やがてLaurenをひとりの女性として見るようになると、賭けの対象としていることが恥ずかしくなり、結局すべてをLaurenに告白。愛されていた訳ではなかったと傷つきつつ、Kitの事情を知ったLaurenはある提案をする。ひと夏だけ、ふたりで婚約を装って、夏が終わった時点でLaurenから婚約を破棄しよう。そうすれば、Kitは望まぬ相手との婚約を回避できるし、Laurenもオールドミスとして静かな生活を手に入れることができる。そのかわり、思い出になる夏を経験させてほしい、と。

最初は"The Secret Pearl"とは随分違った、やけにあっけらかんと明るいトーンにビックリ。いろんなスタイルで書く人なのかなぁと思っていたら、ジワジワと色々な影が書き足され、しっとりと味わい深いロマンスに変貌しました。その変貌ぶりがホント自然でさりげないのと、重苦しくならずに深みを増すのが良い。Kitと弟Sydの確執なんてかなりヘビーだと思うのだけれど、どこか幻想的ですらあったり。なんでかな?
とにかく主人公二人がいいです。賢さと純粋さを兼ね備えたLauren、奔放でありながらも根は誠実なKit。この二人の魅力に尽きるんじゃないかな。KitのリードでLaurenが女性として花開いていく様子が痛快なんだけれど、そこはかとなくひと夏限定という切なさがあってグッときます。ツクツクボーシの声を聞く切なさが通奏低音になってるとでもいいましょうか、いや、なんとも情緒があります。絵になるシーンも多いし、素敵な映画をみたような読後感(2時間の映画には絶対収まらないけどね)。シリーズの一部らしく、脇役がやけに丁寧に描かれているので面食らいますが、コレだけ読んでも充分楽しめました。おすすめ。2006.9.10★★★★★

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2006.08.28

Something Borrowed

Something BorrowedSomething Borrowed
Emily Giffin

Griffin 2005-04-15
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おすすめ平均

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子供のころの夢では素敵な旦那さまにお祝いしてもらうはずだった三十歳の誕生日。ニューヨークで弁護士をしているRachelの記念すべき日を祝ってくれたのは、幼なじみのDarcyだった。美人でカリスマ性があり、いつでも欲しいものを手にしてきたDarcy。華やかな広報の仕事に就き、Rachelが紹介したロースクールでの同級生Dexとの結婚を目前に控えている。誕生パーティでは、いつものごとくDarcyが主役そっちのけで盛り上がった挙句、すっかり酔っ払ってしまって一足先に帰宅することに。残ったDexとRachelはふたりで飲み続け、なんとなく勢いで”そういうこと”になってしまう。親友の婚約者とベッドで朝を迎え、愕然とするRachel。しかし、Dexは動揺しつつも「いけないことだとは思うが、後悔はしていない」と言い放つ。とても自分には不釣合いだと思いつつも学生時代から密かにDexに惹かれていたRachelは、Darcyへの罪悪感に苛まれながらもDexのことを想わずにはいられない・・・。

【これはロマンス・・・なんですか? Amazonではロマンスのジャンルにあったんだけど】
発売から2年たった今でもAmazonのロマンスTop sellerリストで堂々の28位。読者レビューは200を越え、平均評価は星4.5個。こりゃ当然イケるでしょ、と買ったんですけれど・・・。これ、いわゆるChick Litって奴ですね。それならそうと言ってくださればそのつもりで読んだのですが、ロマンスに違いないと信じて読んでいたので肩すかし食らいまくり。
ロマンスメインのChick Litもあるんでしょうが、これはDarcyとRachelの関係がメイン。美しいばかりじゃない、友情の醜い側面もセキララに書かれていて、そこは見事。Darcyってのはかなり逝っちゃってるキャラなんですが、「いたいた!こういう娘」って感じです。なんだか懐かしくて甘酸っぱい。読んでいて、なんというか痛くて面白かったです。
ところがねー。ロマンスとしてはもう、てんで駄目。ロマンス小説が成立するための重要な条件ってなんでしたっけ? そう、魅力的なヒーローですね。ところがこの作品のヒーローときたら・・・。こんな奴がヒーローの訳がないと思って、かなり後ろの方まで別の男性をヒーローだと信じて読んでた馬鹿なわたし。いや、だから最初にロマンスじゃないって断っておいてくれればよかったのに(泣)。そんなこんなで、読後感もなにもあったもんじゃない。感動の(たぶん)ラストでも「はい?」ってな状態。いや、すごいビックリしたって。
ロマンスだと思い込んでた私も悪いけど、本来、そんな思い込みはねじ伏せてでも何かを伝えてくれなければいけなかったはずで、そこはやっぱり作者も力不足だったんじゃないかな、と。人気作ではありますが、私にとっては星三つだなぁ。2006.8.27★★★

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